- 事業を新しく始めたいけれど、役所の手続ってどこに何を出せばいいのかさっぱりわからない
- 補助金の申請に挑戦してみたいけれど、検索してもサイトによって情報がバラバラで挫折しそうになった
日々、事業の拡大や改善に奮闘されている経営者や個人事業主の皆様から、このようなお悩みを伺う機会は非常に多くあります。本業で忙しい中、難解な法律用語や複雑な行政手続に追われるのは本当に大変なことです。
そんな中、デジタル庁が中心となって整備を進めている注目の新サービスをご存じでしょうか。それが、事業者向け行政手続の総合ポータルサイト「 Gビズポータル 」です。
これまで行政機関ごと、あるいは目的ごとにバラバラに存在していた行政手続の窓口をひとつにまとめ、事業者が迷わずに手続を進められるように設計された「新しい行政手続の入口」ともいえる仕組みです。
この記事では、札幌で事業者の皆様の許認可や各種手続をサポートしている行政書士の視点から、Gビズポータル の全体像や便利になるポイント、そして「行政手続のデジタル化が進む中で、事業者が本当に気をつけるべきポイント」をストーリー仕立てでわかりやすく解説していきます。
「補助金の申請をしたいのに、どこから始めればいい?」 ある事業者の悩み
札幌市内で小さな飲食・テイクアウト店を営むAさんの事例で考えてみましょう。Aさんは店舗の改装と新しいWebサイトの構築のために、国の「小規模事業者持続化補助金」を活用したいと考えました。さらに、新メニューで真空パック詰めの加工食品を店頭販売・オンライン販売するため、保健所の許認可や届出も見直す必要が出てきました。
やる気満々でパソコンに向かったAさんですが、すぐに大きな壁にぶつかってしまいます。
補助金の情報を探そうとインターネットで検索しても、経済産業省のサイト、中小企業庁の特設ページ、事務局のポータルサイトなど複数あり、「どれが最新で、どれが自分に必要な情報なのか」がなかなか判別できません。
さらに、保健所の営業許可については市のホームページを確認し、税務関係の手続は国税庁や税務署のサイトを見るといった形で、調べれば調べるほど閲覧するページが増え、頭の中が混乱してしまいました。
「そもそも、今の自分の事業計画において、提出しなければならない届出や許認可はこれだけで足りているのだろうか?」
そんな疑問を抱えても、誰も一括で「あなたに必要な手続はこれとこれです」と教えてはくれません。
これまで日本の行政手続は、いわゆる「縦割り行政」の弊害もあり、省庁や自治体ごとにシステムやWebサイトが独立して存在していました。
・ 補助金は「Jグランツ」などの補助金申請システム
・ 企業の登記や変更手続は 法務省のシステム
・ 社会保険や雇用保険は 厚生労働省や日本年金機構のシステム
・ 地方自治体の許認可や届出は 各市区町村・都道府県の独自窓口
事業者からしてみれば、「国や自治体の手続」という点では同じはずなのに、手続ごとにアカウントを作り直し、別々のサイトにアクセスして検索し直さなければならなかったのです。
行き詰まったAさんが知り合いの行政書士Bさんに相談したところ、こんなアドバイスを受けました。
行政書士BさんAさん、実はデジタル庁が「Gビズポータル」という事業者向けの手続案内サイトの整備を進めているんですよ。これを使えば、国の補助金や手続を一括して検索したり、今後どんな手続が必要になるのかを整理したりしやすくなるんです。



「Gビズポータル」? 補助金のサイトとは違うんですか?



単なる補助金ポータルではありません。あらゆる行政手続の総合窓口を目指して作られているサービスなんです。
Aさんはさっそく、Gビズポータルという新しい仕組みについて詳しく調べてみることにしました。
そもそも「Gビズポータル」とは? 何のためのサービスなのか
「Gビズポータル」は、デジタル庁が主導して構築・提供を行っている、事業者(法人・個人事業主)のための行政手続ポータルサイトです。
一言で表現するなら、事業者向け行政手続のYahoo!やGoogle(検索エンジン兼ポータルサイト)のような存在を目指して作られています。事業者が行政手続を行いたいと考えたとき、まず最初にアクセスすべき「総合案内所」として機能します。
Gビズポータルの最大の特長は、省庁の垣根を越えて横断的に手続や制度を検索・確認できる点にあります。
従来のWebサイトのように「経済産業省の管轄だから経産省のサイトへ」「厚生労働省だから厚労省のサイトへ」と立ち寄り先を変える必要がなく、ポータルサイト内の検索機能を使ってキーワードや事業の目的を入力するだけで、関係する制度や手続の一覧を提示してくれます。
事業者の皆様の間では「Gビズは補助金を探す場所」というイメージを持たれている方が少なくありません。確かに補助金情報の検索はニーズが高いため大きく取り上げられますが、Gビズポータルの本来の目的はそれだけに留まりません。
許認可の届出、事業の変更手続、各種報告義務など、企業活動や事業運営に伴って生じるあらゆる行政手続を網羅的に扱い、スムーズに誘導することを目的としています。
政府は現在、行政手続のワンスオンリー(一度提出した情報は二度提出させない)やワンスストップ(1箇所の窓口で手続を完了させる)といった行政デジタルトランスフォーメーション(行政DX)を強力に推進しています。
Gビズポータルは、まさにこの行政DXの中核をなす「フロントエンド(事業者との接点)」として位置づけられています。今後、国の制度だけでなく地方自治体の手続との連携も進んでいくことで、日本国内のすべての事業者手続のハブとなっていくことが期待されています。
「GビズID」「Jグランツ」と何が違う? ここが一番わかりにくい
行政の手続をデジタルで行おうとするとき、名前が似通ったサービスがいくつか登場するため、混乱してしまう事業者が後を絶ちません。代表的な3つのキーワードについて、整理して理解しておきましょう。
・ Gビズポータル
・ GビズID
・ Jグランツ(jGrants)
この3つの関係を例えるなら、大型ショッピングモールのようなものです。
| サービス名 | 役割・例え | 主な機能・特徴 |
| Gビズポータル | ショッピングモール (建物・案内所) | 行政手続を探し、案内を受け、書類を管理するための 「ポータルサイト(案内所)」 |
| GビズID | 会員証・鍵 (ログイン用アカウント) | 本人確認を行い、各デジタル行政サービスに安全に ログインするための「認証ID」 |
| Jグランツ | モール内にある 「補助金ショップ」 | 補助金の公募検索から電子申請、交付決定後の報告 までを行う「申請システム」 |
具体的に手続を行う際の流れは以下のようになります。
① Gビズポータルで自分に必要な手続や補助金情報を探す
② GビズIDを使って本人確認を行い、システムにログインする
③ Jグランツなどの各専門申請システムへ遷移して実際に申請する
このように、3つは競合するサービスではなく、それぞれ役割が異なるパートナーのような関係にあります。
ここで一つ注意したいのが、Gビズポータルを開けば、その画面の中で直接すべての申請書の入力と送信が完了するわけではないという点です。
Gビズポータルはあくまで手続を「探し」「準備し」「各システムへ案内する」ためのポータル(入口)です。実際の申請操作自体は、従来通りJグランツや各省庁の個別の電子申請システムにバトンタッチして行うケースが主流です。
ポータルサイトに行けばボタン一つですべてが終わると誤解していると、画面を操作する中で戸惑ってしまうことがありますので、まずは案内所と申請窓口は分かれていると理解しておくと安心です。
Gビズポータルで何ができる? 事業者にとって便利になるポイント
では、実際にGビズポータルを活用することで、事業者にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。具体的な利便性向上ポイントをみていきましょう。
必要な行政手続を探しやすくなる
従来の行政サイトは「手続の正式名称」がわからないと検索しづらいという難点がありました。しかし、Gビズポータルでは「飲食店の開業」「従業員の雇用」「補助金の活用」といった、事業者の目的に沿ったキーワードやカテゴリーから必要な手続を簡単に調べることができます。
自分の事業に関係する手続を確認する
事業の形態(法人化、個人事業主、売上規模、業種など)に応じて、どのような制度や手続が自分に関係してくるのかをリストアップして確認できます。
これにより、「知らなかったために手続を忘れていた」「後から必要な許認可に気づいた」というリスクを減らすことができます。
手続に必要な情報や書類を確認する
申請に必要な条件(要件)、提出期限、添付すべき書類のリスト、審査にかかる標準的な期間などの重要情報が整理されて表示されます。役所に何度も問い合わせたり、要綱を何十ページも読み込んだりする負担が大幅に軽減されます。
行政手続を 探す→準備する→申請する という流れで考えられるようになる
これまでは「調べる」「書類を作る」「提出する」という作業が分断されていましたが、Gビズポータルを利用することで、手続の全体像を一つのストーリーとして把握できるようになります。見通しが立つことで、準備のスケジューリングが格段にしやすくなります。
今後さらに機能が拡充される可能性
デジタル庁のロードマップに基づき、Gビズポータルは今後も継続的な機能追加が予定されています。将来的には、地方自治体の主要な許認可手続との連携強化や、事業者ごとのマイページ機能の充実など、よりパーソナライズされた便利なサービスへと進化していくことが見込まれています。
「手続ジャーニー」とは?行政手続を一つの流れで考える仕組み
ここからは、Gビズポータルにおける最大の目玉機能・コンセプトともいえる「手続ジャーニー」について詳しくみていきましょう。
一つの申請だけを見るのではなく、事業者の状況に応じて必要となる手続を考える
ジャーニー(Journey)とは英語で「旅・道のり」を意味する言葉です。つまり「手続ジャーニー」とは、事業者が歩むライフサイクル(事業の道のり)に合わせて、連鎖的に発生する行政手続をひとつの「流れ」として捉え、案内する仕組みのことです。
行政の手続は、単発で終わるものはごく稀です。多くの場合、一つのアクションを起こすと、それに伴って複数の省庁や自治体への手続が同時に発生します。
【例】会社設立、事業開始、変更、廃業の場面
例えば、事業者が経験する代表的なライフイベントと、それに伴う手続の連鎖には以下のようなものがあります。
◉ 会社を設立するとき
・ 法務局での設立登記
・ 税務署への法人設立届出
・ 都道府県・市区町村への税務届出
・ 労働基準監督署・ハローワークへの労働保険手続
・ 年金事務所への社会保険加入手続
・ 業種に応じた行政庁への許認可申請(飲食店営業許可、古物商許可、建設業許可など)
◉ 店舗や事務所を移転するとき
・ 管轄法務局への本店移転登記
・ 税務署・自治体への所在地変更届
・ 年金事務所・ハローワークへの住所変更届
・ 許認可を受けている行政庁への変更届出
従来のやり方では、これらの手続を事業者がひとつひとつ自力でリストアップし、それぞれの窓口に行く必要がありました。
この手続をしたら、次に何が必要? という視点
手続ジャーニー機能を使えば、「会社を設立した」「店舗を移転した」といったイベントを選択するだけで、次にどの役所に、いつまでに、どのような手続を出さなければならないかがタイムライン形式やステップ形式で表示されます。
Aの手続が終わったから、次はBとCの手続を準備しようという、先回りした行動が可能になるのが、この仕組みの素晴らしい点です。
事業者の行政手続の漏れを防ぐ
事業運営において最も恐ろしいことの一つが必要な手続の失念・漏れです。例えば、許認可の変更届を忘れたまま営業を続けてしまうと、最悪の場合、過料や行政処分の対象となったり、補助金の受給資格を失ってしまうことすらあります。
手続ジャーニーの思考を取り入れることで、事業者は点の作業ではなく線の流れで手続きを捉えられるようになり、うっかり忘れによる事業上のリスクを大幅に減らすことができるのです。
電子ロッカーで何が変わる? 行政手続の「書類管理」もデジタル化
Gビズポータルのもう一つの注目すべき先進的な機能が「電子ロッカー」という概念です。
行政手続で発生する書類を管理する考え方
これまで、行政手続を行うと、数多くの紙の書類が発生していました。
・ 申請書の控え
・ 役所から交付された「許可書」「認可書」「指定書」
・ 補助金の「交付決定通知書」「額の確定通知書」
・ 制度の受付完了メールや通知文書
これらはバインダーに閉じられ、オフィスの書庫に保管されるのが一般的でしたが、「あの許可書、どこに保管した?」「有効期限の更新はいつだった?」と探すのに苦労された経験を持つ経営者の方々も多いはずです。
電子ロッカーの役割
電子ロッカーとは、Gビズポータル上で自社の行政手続に関するデータや、行政機関から発行された通知書・許可データなどを安全にデジタル保管・管理できるオンライン上のセーフティボックスです。
ペーパーレス化が進むだけでなく、必要な時にいつでもクラウド上から書類のデータを閲覧・ダウンロードできるようになります。
電子署名(新機能)
電子ロッカーに保管される行政文書には、改ざんを防止するための高水準な電子署名やタイムスタンプが付与される仕組みが取り入れられています。これにより、紙の公文書(原本)と同等、あるいはそれ以上の法的信頼性を持ってデータを保持・証明することが可能になります。
申請するだけではなく「行政から受け取った書類を管理する」
従来の行政DXの議論は「いかにオンラインで申請(提出)するか」という入口の話ばかりに目が向きがちでした。
しかし、Gビズポータルの電子ロッカー構想は「申請した後に行政から届く結果や許可証をどう管理するか」という出口・アフターケアの部分にまで踏み込んでいる点が画期的です。手続の始点から終点までをデジタルで一元化する仕組みが整いつつあります。
将来的に行政書士などと書類共有の可能性
将来的には、この電子ロッカーに保管された書類データを、事業者が許可した外部の専門家(行政書士や税理士、社会保険労務士など)と安全に共有できる連携機能の拡張も期待されています。
これが実現すれば、「過去の許可証のコピーを郵送やメールで送信する」といった手間が省け、専門家への相談や継続的な手続サポートがよりスピーディーかつ確実に行えるようになります。
便利になる一方で、Gビズポータルだけでは解決できないこともある
さて、ここまでGビズポータルの素晴らしい機能や利便性についてお話ししてきました。
「なるほど! これがあれば行政手続は完璧だ。これからは全部自分で簡単にできそうだ!」と感じられた方も多いかもしれません。
しかし、ここで一度、冷静に実務の現場を見つめ直してみる必要があります。
ポータルサイトがどれほど便利になったとしても、「システム(ツール)の進化」と「手続そのものの難易度」は別問題だからです。
Gビズポータルによって「手続の場所(画面)」へ辿り着くのは圧倒的に楽になりました。画面は見やすくなり、案内も親切になっています。
しかし、画面の向こう側にある法律、省令、審査基準、要件が優しくなったわけではありません。
入力フォームが綺麗なWeb画面に変わったとしても、記入しなければならない内容の複雑さや、提出を求められる証明書類の厳格さは、紙の時代と変わっていないのです。
システムは「選択された条件」に従って機械的に手続を案内してくれます。しかし、「自社が新しく始めるビジネスモデルに対して、本当にその許認可だけで足るのか?」という高度な法的判断まではしてくれません。
例えば、近年増えている「アプリを活用したデリバリー事業」や「古着とカフェを融合させた店舗」「観光客向けの体験型宿泊サービス」など、複数の業態が混ざり合った新しいビジネスを行う場合、関係する法律(食品衛生法、古物営業法、旅館業法、旅行業法など)を多角的に検証しなければなりません。
この法律上の当てはめ(自社の事業がどの許認可の対象になるかの見極め)を誤ってしまうと、システム上でいくら正しく手続を行っても、無許可営業に陥ってしまうリスクがあります。
Gビズポータルの案内通りに申請画面に進み、書類を作成したとしても、その内容が「行政の審査基準を満たしているか」は別問題です。
特に補助金の事業計画書や、許認可における「構造設備の要綱」「役員の欠格要件の解釈」「資金計画の合理性」などは、単に空欄を埋めれば通るというものではありません。文章の整合性や証拠書類との一致が厳しく審査されます。
住民票の写しが必要と書かれていても、それが「本籍地記載のものか」「個人番号(マイナンバー)なしのものか」「発行から何ヶ月以内のものか」といった細かな指定を見落とすと、それだけで補正(再提出)の手間が発生します。
また、電子申請特有のファイル形式の指定や容量制限、画像解釈の不備など、慣れていない事業者にとってはかえって時間がかかってしまうケースも少なくありません。
加えて見逃せないのが「デジタルディバイド(情報格差)」の問題です。
日々のお仕事でパソコン操作にあまり親しんでいない事業者様や、スマートフォンでのやり取りが中心の事業者様にとって、「GビズID」の取得、2要素認証の設定、ファイルの添付といった操作自体が大きなストレスやハードルになってしまうことがあります。
便利なはずのシステム操作に何時間も奪われ、本業の営業がストップしてしまうのでは、本末転倒と言わざるを得ません。
行政手続がデジタル化すると「行政書士はいらなくなる」のか?
Gビズポータルや電子申請の普及について話しをすると、時折お客様からこのようなご質問をいただくことがあります。
誰もがパソコンで簡単に申請を探して出せるようになるなら、行政書士のような専門家はもういらなくなるんじゃないですか?
行政手続のプロとして、私は「むしろ逆である」と考えています。
デジタル化が進めば進むほど、行政手続の構造や法律を深く理解している専門家の重要性は、これまで以上に高まっていくと思っています。
「オンラインで申請できるなら専門家は必要ない?」という疑問に対する回答
行政書士の本当の価値は、単に「書類を役所の窓口まで歩いて持っていくこと(提出代行)」ではありません。
提出までのプロセスにおいて行っている、高度な「判断」「調査」「整理」「構築」こそが行政書士の仕事の本質だからです。
行政書士が普段、事業者様のために行っている実務の裏側を少しご紹介します。
① 必要な許認可を確認する(リーガルチェック)
事業者の思い描くビジネスプランをヒアリングし、「どの法律のどの条文に基づき、どの許認可や届出が必要になるのか」を正確に洗い出します。
② 要件を整理する(適合性の確認)
「人(資格や経歴)」「物(店舗の広さや設備)」「金(資本金や自己資金)」の基準を満たしているかを事前に精査します。基準を満たしていない場合は、どう改善すればクリアできるかを一緒に考えます。
③ 必要書類を集める(収集と検証)
証明書類や図面、誓約書など、多岐にわたる必要書類を漏れなく収集し、内容に矛盾がないか徹底的にチェックします。
④ 申請書を作成する(説得力のある書類作成)
行政庁の審査官が理解しやすいよう、要件を満たしている旨を論理的かつ明確に記述した申請書や事業計画書を作成します。
⑤ 行政とのやり取りをサポートする(折衝と補正対応)
手続の事前相談や、申請後に役所から入る細かな確認・補正指示に対しても、専門用語を交えて迅速かつ適切に対応します。
デジタル化によって、むしろ「手続を理解している専門家」の重要性が増す可能性
Gビズポータルという「便利な入口」ができたことで、誰でも手続のスタートラインに立ちやすくなりました。
しかし、入口が広くなった分だけ、法律や要件の知識が不十分なまま手続に進んでしまい、途中で行き詰まったり、不採択・不許可になってしまったりするリスクも増えています。
デジタル化によって「作業の手間」は減りますが、事業を守るための「正しい判断の重み」は変わりません。
だからこそ、Gビズポータル等のツールを使いこなしつつ、事業者の個別具体的な事情に合わせて「正しく導いてくれる専門家」の存在が、これからの時代に一層求められるようになるのです。
Gビズポータル時代に、事業者が今から準備しておきたいこと
Gビズポータルをはじめとする行政DXの流れは、今後ますます加速していきます。この時代をスムーズに乗り切り、デジタル化の恩恵を最大限に受けるために、事業者の皆様が「今からできる準備」を4つのポイントにまとめました。
GビズIDなど必要なアカウントを確認・取得しておく
まだ「GビズIDプライム」アカウントをお持ちでない事業者は、早めの取得をおすすめします。
GビズIDプライムは、法人印鑑証明書や個人事業主の実印を用意して申請するアカウントで、発行までに数日から数週間かかる場合があります。「補助金の締め切り直前に申請しようとしたらIDが間に合わなかった」という失敗談は非常に多いため、予定がなくてもあらかじめ取得しておくと安心です。
自社に関係する行政手続・許認可を整理する
自社が現在受けている許認可の名称、許可番号、有効期限、次回更新時期などをリスト化して整理しておきましょう。
Gビズポータルや電子ロッカーの活用が本格化した際、自社の許認可情報を速やかにデータ管理へ移行できるようになります。
3. 電子データで書類を管理する習慣をつける
決算書、確定申告書、定款、賃貸借契約書、本人確認書類などをPDFなどの電子データとして整理保存する習慣をつけておきましょう。
電子申請の多くはこれらの書類をPDF形式で添付することになります。いざという時に「データがどこにあるかわからない」とならないよう、社内のフォルダ構成を整えておくことが大切です。
「何かわからないから、とりあえず検索」ではなく、専門家への相談も選択肢にする
インターネットやポータルサイトでの検索は大変便利ですが、調べものだけに何時間も何日も費やしてしまうのは、経営者様にとって大きな機会損失です。
「30分調べて解決しない疑問や、判断に迷う許認可の要件が出てきたら、プロ(行政書士)に相談する」というルールを自分の中で作っておくことをおすすめします。それが結果として、時間とコストの節約につながります。
行政手続が変わっても、「誰に相談するか」は変わらない
デジタル庁のGビズポータルによって、日本の行政手続は間違いなく大きな変革のときを迎えています。
画面は綺麗になり、検索はしやすくなり、書類の管理もクラウドで行える時代がすぐそこまで来ています。これは事業者様にとって、手間やストレスを減らす素晴らしい進化です。
しかし、どれほどテクノロジーが発展し、便利なポータルサイトやAIが登場したとしても、「自分の事業の将来に不安を感じたとき、誰に相談するか」という人間同士の信頼関係の価値は変わりません。
画面の操作手順は教えてくれても、Gビズポータルはあなたの事業に対する情熱や、抱えている個別の苦労、地域での人間関係までは汲み取ってくれません。
特に、長年地域で事業を支えてこられた高齢の事業者様や、デジタルの画面操作に強い苦手意識をお持ちの方々にとって、急激なデジタル化は時に「取り残されるような不安」を感じさせるものかもしれません。
私たち行政書士は、単に書類を作るだけの存在ではありません。
「進化するデジタルシステム」と「複雑な行政手続」、そして「事業者の皆様の想い」の間に入り、優しく丁寧につなぐ架け橋でありたいと考えています。
- Gビズポータルで見たこの補助金、うちの店でも使えるだろうか?
- 新しくこういう事業を始めたいけれど、画面に出てこない特別な許認可は必要なのかな?
- パソコンの操作も不安だから、要件の確認から申請まで一括でサポートしてほしい
どんな小さなお悩みや疑問でも構いません。
「自分で全部調べ、自分で全部パソコン操作を行わなければならない」と思い詰めないでください。わからないところ、判断がつかないところは、街の法律家である専門家を頼ることも、事業と雇用を守るための立派な経営判断です。
札幌の地で事業に励む皆様が、行政手続の負担から解放され、安心して本業に専念できるよう、当事務所もサポートしてまいります。手続やお困りごとがございましたら、いつでもお気軽にお声がけください。
■ 札幌での各種許認可申請のご相談なら
札幌市東区の「つしま行政書士事務所」では、各種許認可申請に関するご相談を承っております。 40年間の企業法務・契約業務の経験とFPの視点を活かし、面倒な手続きをサポートいたします。初回相談は無料ですので、一人で悩まずに、まずはお気軽にご連絡ください。
※ なお、紛争の解決についてはうけたまわれません。
【お問い合わせ先】 つしま行政書士事務所
- 所在地:札幌市東区
- 対応エリア:札幌市内および近郊エリア(出張相談も承ります)
- 営業時間:平日 9:00〜18:00(※事前の予約で土日祝や夜間も対応可能です)
初回60分相談料無料


☎ 011-788-3883
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