いつも本ブログをお読みいただき、誠にありがとうございます。
おかげさまで、当事務所のブログも今回で通算100回目の投稿を迎えることができました。日々、相続や遺言に関するご相談を受ける中で、「一人でも多くの方に、将来への不安を安心に変えていただきたい」という思いから書き続けてきた記事が、こうして一つの節目を迎えたことを大変感慨深く思っております。
100回目という節目となる今回のテーマは、「 終活 で行政書士がお手伝いできること」です。
終活という言葉が広く定着した昨今、エンディングノートを書いたり、身の回りの整理(断捨離)を始めたりする方が増えています。しかし、実際に終活を進めていく中で、
・ 遺言書はどうやって書けばいいのだろう?
・ 自分が認知症になったら、お金の管理はどうなるの?
・ 身寄りが少ないけれど、万が一のときの葬儀や供養はどうすれば…
といった法律や手続きに関する壁にぶつかる方も少なくありません。
実は、行政書士は「終活の伴走者」として、皆さまの幅広いお悩みをサポートできる専門家です。
この記事では、終活において行政書士がどのようなお手伝いができるのか、そして「遺言・相続」を中心とした具体的な解決策について、どこよりも分かりやすく徹底的に解説します。ご自身のこれからの人生をより豊かで安心なものにするため、そして大切なご家族に想いをつないでいくためのガイドブックとして、ぜひ最後までお役立てください。
終活とは「人生を終える活動」ではありません
「終活」という言葉には、どこか寂しい印象があります。自分の死を考えることに抵抗があり、「まだ元気だから必要ない」「縁起でもない」と感じる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、終活の本当の目的は、死を待つことではありません。自分の希望を整理し、家族の負担を減らし、これからの人生を安心して過ごすための準備です。
たとえば、次のようなことを考えます。
・ 介護が必要になったら、どこで暮らしたいか
・ 認知症などで判断能力が低下したら、誰に財産管理を頼みたいか
・ 入院費や施設費は、どの財産から支払うか
・ 自宅を今後どのようにするか
・ 預貯金、株式、不動産などを誰に引き継いでもらうか
・ お世話になった人や団体へ財産を残したいか
・ 葬儀や納骨を誰に頼むか
・ 亡くなった後の役所手続や住居の片付けを誰に任せるか
このような希望を、本人だけが頭の中で考えていても、家族には伝わりません。いざというときに本人が意思を伝えられなくなれば、家族は「本人はどうしてほしかったのだろう」と悩みながら、一つひとつ判断することになります。
終活は、自分のためだけに行うものではありません。残される家族への思いやりを、具体的な形にする作業でもあるのです。
終活は元気で判断能力があるうちに始めましょう
終活についてご相談を受けたとき、行政書士が最初に確認する大切な点があります。
それは、ご本人に十分な判断能力があるかどうかです。
遺言書や任意後見契約、財産管理等委任契約、死後事務委任契約などは、本人の意思に基づいて作成するものです。家族が「父はきっとこう考えているはずです」「母のために契約を作ってください」と希望しても、家族の考えだけで本人名義の契約を結ぶことはできません。
認知症と診断されたから直ちに何もできなくなるわけではありませんが、契約の内容を理解し、自分の意思で判断できることが必要です。判断能力が大きく低下してからでは、任意後見契約を結んだり、有効な遺言書を作成したりすることが難しくなります。
【ポイント】
「もう少し先で考えよう」と思っている間に、選べる方法が少なくなることがあります。終活を始める目安は、年齢だけではありません。定年退職、配偶者との死別、子どもの独立、病気、住宅の売却、運転免許証の返納など、生活環境が変わったときが、これからを考えるよい機会です。
終活で行政書士がお手伝いできる主なこと
行政書士は、官公署へ提出する書類の作成だけでなく、遺言書、契約書、遺産分割協議書など、権利義務や事実証明に関する書類の作成を業務とする国家資格者です。終活では、一つの書類だけを作ればすべて解決するとは限りません。本人の家族関係、財産、健康状態、住居、将来の希望によって、必要な準備は異なります。
ここからは、行政書士がお手伝いできる主な内容を順番にご説明します。
終活の最初の一歩として取り組みやすいのが、エンディングノートです。
エンディングノートには、一般的に次のような情報を書きます。
・ 自分の基本情報や家族・親族の連絡先
・ 預貯金、保険、年金、不動産、有価証券などの財産
・ 借入金、ローン、保証債務などの負債
・ 利用している携帯電話、インターネット、定額サービス
・ かかりつけ医、持病、服用している薬
・ 介護、延命治療、入院に関する希望
・ 葬儀、納骨、お墓に関する希望
・ ペットの引受先
・ 家族や友人へ伝えておきたいこと
エンディングノートには、決まった書式はありません。市販のものを利用しても、ノートに自由に書いても構いません。ただし、エンディングノートは、原則として遺言書のような法的効力を持つ書類ではありません。たとえば、「長男に自宅を相続させる」とエンディングノートに書いても、それだけで自宅の相続先を法的に確定できるわけではありません。財産の承継について法的な効力を持たせたい場合には、遺言書を作成する必要があります。
行政書士は、エンディングノートに書かれた希望を整理し、どの部分を遺言書や契約書に反映すべきかを一緒に検討できます。
終活では、自分がどのような財産と負債を持っているかを把握することが欠かせません。
財産の一覧を作成するときは、次のようなものを確認します。
・ 銀行、信用金庫、ゆうちょ銀行などの預貯金
・ 株式、投資信託、国債などの金融商品
・ 土地、建物、マンション、農地、山林
・ 生命保険、医療保険、個人年金保険
・ 自動車、貴金属、美術品
・ 貸付金、未収金
・ 住宅ローン、カードローン、事業上の借入金
・ 他人の債務に対する保証
財産目録を作っておけば、遺言書の作成がしやすくなるだけでなく、相続開始後に家族が財産を探し回る負担も減らせます。近年は通帳を発行しない銀行や、インターネット上だけで取引する証券会社も増えています。本人しか存在を知らない口座や金融商品があると、相続人が気づかないまま手続から漏れてしまう可能性があります。
ただし、暗証番号やインターネットバンキングのパスワードを、誰でも見られるノートに直接書くのは危険です。財産の存在を示す一覧と、重要な認証情報の保管方法は分けて考える必要があります。
自筆証書遺言は、原則として遺言者本人が、遺言の全文、日付、氏名を自書し、押印して作成する遺言です。
財産目録については、一定の条件を満たせば、パソコンで作成したものや、通帳の写し、不動産の登記事項証明書などを利用することもできます。ただし、自書によらない財産目録には、各ページに署名・押印するなどの方式を守らなければなりません。自筆証書遺言は費用を抑えて作成でき、内容を自分だけで決められる点がメリットです。
一方で、次のような問題が生じることがあります。
・ 日付や署名、押印などの方式に不備がある
・ 財産の書き方が不明確で特定できない
・ 相続人や財産に漏れがある
・ 遺留分への配慮がなく紛争の原因になる
・ 本人の死後に遺言書が発見されない
・ 紛失、破棄、改ざんの疑いが生じる
遺言は法律で厳格な方式が定められており、方式に違反した遺言は無効になる可能性があります。また、音声や動画を残しただけでは、法律上の遺言にはなりません。
行政書士は、ご本人の希望を聞き取り、相続関係や財産内容を確認したうえで、遺言書の原案作成や文案整理を支援します。
次に作成した、遺言書をどこに保管するかという問題があります。自宅の「仏壇の下」「タンス上段の引き出し」等いかにも保管しそうな場所を選ぶと、後に紛失、身内の隠蔽・改ざん等の危険があります。そこで2020年(令和2年)より、法務局に保管出来る制度がスタートしました。
この制度を利用すると、作成した遺言書の原本を法務局で保管してもらえます。自宅で保管する場合と比べて、紛失、隠匿、改ざんなどの危険を減らせることが大きな利点です。また、法務局に保管された遺言書については、相続開始後の家庭裁判所による検認が不要となります。
ただし、法務局が確認するのは、主として遺言書の外形的な方式です。遺言内容の法的な有効性や、財産の分け方が適切かどうかまで保証してくれる制度ではありません。制度を利用した後は、保管証が交付されます。保管証は再発行されないため、大切に保管するとともに、信頼できる家族などへ、法務局に遺言書を預けていることを伝えておくと安心です。
公正証書遺言は、遺言者の希望をもとに、公証人が作成する遺言です。公証人が本人の意思を確認し、法律に従って作成するため、方式の不備によって無効になる危険が比較的小さい方法です。原本は公証役場で保管されるため、紛失や改ざんの心配も抑えられます。また、相続開始後の家庭裁判所による検認も必要ありません。
特に、次のような方には公正証書遺言が向いています。
・ 不動産を所有している方
・ 相続人同士の関係に不安がある方
・ 子どもがいないご夫婦
・ 前の配偶者との間に子どもがいる方
・ 相続人以外の人へ財産を渡したい方
・ 特定の相続人に多く財産を残したい方
・ 自分で長い文章を書くことが難しい方
・ 遺言書の確実性を重視したい方
行政書士は、公正証書遺言の作成に必要な戸籍や財産資料の収集、相続関係の整理、遺言内容の原案作成、公証人との事前調整、証人の手配などをお手伝いします。公正証書遺言は、公証役場へ行った当日に、何の準備もなく完成するものではありません。誰に何を相続させるのか、遺言執行者を誰にするのか、遺留分へどう配慮するのかなど、事前の検討が重要です。
遺言書には、財産の分け方など法的な効力を持つ内容だけでなく、家族への感謝や、なぜそのような分け方にしたのかを書くこともできます。これを付言事項といいます。付言事項そのものには、原則として法的な強制力はありません。しかし、遺言者の気持ちや判断の理由が伝わることで、相続人の納得を得やすくなることがあります。
たとえば、同居して長年介護をしてくれた長女に自宅を相続させる場合、理由が何も書かれていなければ、ほかの相続人は「姉だけが優遇された」と感じるかもしれません。
そこで、次のような思いを付言事項として残します。
【付言事項の例】
長女には、妻が亡くなった後、長年にわたって私の生活を支えてもらいました。自宅を長女に相続させるのは、その感謝と、今後も住み慣れた家で暮らしてほしいという思いからです。ほかの子どもたちにも私の気持ちを理解し、これからも兄弟仲良く暮らしてもらうことを願っています。
法律だけですべての感情を整理することはできません。だからこそ、遺言書には、財産の行き先だけでなく、家族へ伝えたい思いを残すことも大切です。
遺言書を作成しても、亡くなった後に、その内容を実現する人が必要になる場合があります。遺言執行者は、遺言の内容に基づき、財産目録の作成、預貯金の解約・払戻し、財産の引渡しなど、必要な手続を進めます。
相続人の一人を遺言執行者に指定することもできますが、その人が高齢であったり、遠方に住んでいたり、ほかの相続人との関係が悪かったりすると、手続が円滑に進まないことがあります。
遺言書を作成するときは、財産の分け方だけでなく、誰がその内容を実現するのかまで考えておく必要があります。
体が不自由になり、銀行や役所へ行けなくなっても、判断能力が十分に保たれている場合があります。このようなときに備える方法の一つが、財産管理等委任契約です。
信頼できる人に、あらかじめ次のような事務を委任します。
・ 預貯金の管理や生活費の支払い
・ 家賃、公共料金、施設利用料の支払い
・ 役所への届出や証明書の取得
・ 介護サービス契約に関する事務
・ 入院費や医療費の支払い
・ 郵便物の管理
・ 自宅や賃貸物件の管理
委任する内容や開始時期は、本人の希望に応じて契約書に定めます。
ただし、金融機関や施設によっては、代理人による手続の方法や必要書類が異なります。契約書があれば、あらゆる手続を無条件に行えるわけではない点には注意が必要です。
認知症などによって将来判断能力が低下した場合に備え、元気なうちに、自分を支援してくれる人と支援内容を決めておく制度が任意後見制度です。任意後見契約は、本人に十分な判断能力があるうちに、任意後見人となる人や、将来委任する事務の内容を決め、公正証書によって契約します。その後、本人の判断能力が低下し、家庭裁判所が任意後見監督人を選任したときから、任意後見契約の効力が生じます。
任意後見契約では、たとえば次のような事務を委任できます。
・ 預貯金や有価証券の管理
・ 生活費、医療費、介護費の支払い
・ 介護施設への入所契約
・ 不動産や賃貸物件の管理
・ 保険金や年金に関する手続
・ 税金や公共料金の支払い
・ 重要書類の保管
任意後見制度の大きな特徴は、自分が信頼する人を、自分で選べることです。ただし、任意後見人には、手術への同意など一身専属的な行為を本人に代わって決める権限はありません。また、食事や入浴、介護そのものを提供する契約でもありません。
行政書士は、ご本人の希望を聞き取り、任意後見契約の内容整理、公証役場との調整、必要書類の収集などを支援します。
任意後見契約は、契約を結んだ直後から任意後見人が財産管理を始める制度ではありません。本人の判断能力が低下し、家庭裁判所によって任意後見監督人が選任されてから効力が生じます。ところが、契約後に何年も連絡を取らなければ、本人の判断能力が低下したことに誰も気づかない可能性があります。
そこで、任意後見契約と併せて、見守り契約を結ぶことがあります。見守り契約では、定期的な電話や面談を通じて、本人の健康状態、生活状況、財産管理の状況などを確認します。特に、一人暮らしの方、子どもが遠方に住んでいる方、身近に頼れる親族がいない方にとって、定期的に相談できる相手がいることは大きな安心につながります。
遺言書は、主に財産の承継や身分上の事項について定めるものです。
一方、亡くなった後には、財産の相続以外にも、さまざまな事務が発生します。
・ 親族や関係者への連絡
・ 葬儀、火葬、納骨に関する手続
・ 医療費、施設利用料などの精算
・ 賃貸住宅の解約と明渡し
・ 家財道具や生活用品の処分
・ 電気、ガス、水道、電話などの解約
・ 携帯電話やインターネット契約の解約
・ SNSやオンラインサービスの整理
・ ペットの引渡し
これらを、信頼できる人へ生前に依頼しておく契約が、死後事務委任契約です。おひとりさま、子どものいないご夫婦、親族と疎遠な方、子どもに負担をかけたくない方などにとって、検討する価値のある契約です。
日本公証人連合会も、判断能力が低下した場合に備える任意後見契約、亡くなった後の事務を任せる死後事務委任契約、財産承継を定める遺言を、それぞれの目的に応じて利用する方法を案内しています。
死後事務委任契約では、依頼する事務の範囲、費用の支払方法、預託金の管理、受任者の報酬、契約終了時の精算方法などを、できるだけ具体的に定めることが重要です。
終活では、延命治療や終末期医療について、自分の希望を整理しておくことも考えられます。本人が意思を伝えられなくなった場合に備えて、延命措置に関する考えを文書にしたものが、一般に尊厳死宣言やリビング・ウィルと呼ばれます。
公証役場では、本人の意思表示を公正証書として作成する方法も案内されています。ただし、尊厳死宣言があれば、あらゆる医療現場で必ずそのとおりになると保証されるものではありません。文書を作成するだけでなく、家族やかかりつけ医と日頃から話し合い、自分の希望を共有しておくことが大切です。
相続が始まった後に行政書士がお手伝いできること
終活は、生前の準備だけではありません。実際に相続が始まった後も、行政書士は、紛争性のない相続手続について、さまざまな書類作成や調査をお手伝いできます。
遺産分割を行うためには、まず法律上の相続人を確定しなければなりません。一般的には、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を集め、婚姻、離婚、養子縁組、認知、子どもの有無などを確認します。長年連絡を取っていない相続人や、家族が知らなかった相続人が見つかることもあります。
行政書士は、業務に必要な戸籍を収集し、相続関係説明図などを作成して、相続関係を分かりやすく整理します。
相続手続では、預貯金、不動産、有価証券、保険、借入金などを確認します。財産を十分に確認しないまま遺産分割協議をすると、後から新たな財産が見つかり、再び協議が必要になることがあります。
また、プラスの財産だけでなく、借入金、未払金、保証債務などのマイナス財産にも注意が必要です。
遺言書がない場合などには、相続人全員で遺産の分け方を話し合います。話合いがまとまったら、その結果を遺産分割協議書として作成します。行政書士は、相続人全員の合意内容に基づき、預貯金、不動産、自動車、株式などの分け方を正確な文章にまとめます。
ただし、相続人同士の意見が対立している場合に、一方の代理人となって交渉したり、法的紛争を解決したりすることは、行政書士の業務ではありません。争いが生じている場合には、弁護士への相談が必要です。
遺言書や遺産分割協議書が整った後は、財産ごとに名義変更や解約などを進めます。行政書士は、預貯金の相続手続や、自動車の名義変更など、対応できる手続について支援します。
一方、不動産の相続登記は司法書士、相続税の申告は税理士の専門分野です。行政書士だけですべてを完結させようとするのではなく、必要に応じて他士業と連携しながら進めることが、依頼者にとって安心できる方法です。
相続登記の義務化も考えて準備しましょう
2024年4月1日から、相続登記の申請が義務化されています。相続や遺言によって不動産を取得した相続人は、原則として、その取得を知った日から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。正当な理由なく義務に違反した場合には、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。義務化前に発生した相続も対象です。
終活の段階で、自宅や土地の登記名義を確認しておくことは非常に重要です。
「自宅は父のものだと思っていたが、登記名義は亡くなった祖父のままだった」というケースも珍しくありません。名義変更を長年放置すると、相続人が増え、話合いや戸籍収集が複雑になります。
不動産を所有している方は、固定資産税の通知書だけでなく、登記事項証明書を取得し、現在の名義を確認しておきましょう。
使う予定のない土地を相続させる場合の注意
終活では、預貯金や自宅など価値の分かりやすい財産だけでなく、山林、原野、農地、遠方の空き家なども確認する必要があります。本人にとっては大切な財産でも、相続人にとっては、固定資産税、草刈り、建物の修繕、近隣対応などの負担になる場合があります。
一定の要件を満たす土地については、相続土地国庫帰属制度を利用し、国へ引き渡せる可能性があります。ただし、どのような土地でも引き取ってもらえるわけではなく、建物がある土地、境界に争いがある土地、管理に過大な費用がかかる土地などは、承認されないことがあります。
「土地だから財産になるだろう」と安易に考えず、利用予定、売却可能性、管理費用、相続人の希望まで確認することが大切です。
行政書士だけでは対応できないこともあります
終活や相続には、法律、税金、不動産、介護、医療など、さまざまな分野が関係します。行政書士は幅広い書類作成や手続支援を行いますが、すべての問題を単独で処理できるわけではありません。
・ 相続人同士の交渉や紛争解決は、弁護士へ相談します。
・ 不動産の相続登記や所有権移転登記は、司法書士へ依頼します。
・ 相続税の計算、申告、具体的な節税相談は、税理士へ相談します。
・ 不動産の測量や境界確認は、土地家屋調査士へ相談します。
・ 不動産の売却は、宅地建物取引業者へ相談します。
相続税の申告が必要な場合、申告期限は、原則として相続開始を知った日の翌日から10か月以内です。相続が始まった後は、葬儀、役所への届出、年金、保険、預貯金、不動産、税金など、多くの手続が同時に発生します。
どの専門家へ相談すべきか分からない場合は、最初の相談窓口として行政書士へご相談いただき、必要に応じて適切な専門家につなぐ方法もあります。
終活の相談を行政書士に依頼するメリット
終活を始めようとしても、「何から考えればよいのか分からない」という方がほとんどです。
行政書士が家族関係、財産、住居、健康、将来への不安などを順番に聞き取ることで、本人の希望が少しずつ明確になります。
本人の希望によって、必要な書類は異なります。財産の承継であれば遺言書、判断能力低下後の支援であれば任意後見契約、死亡後の葬儀や住居の整理であれば死後事務委任契約というように、目的に応じて書類を使い分けます。
財産、認知症、介護、死後のことは、家族同士ではかえって話しにくい場合があります。
「財産の話をすると、親のお金を狙っていると思われそうだ」「子どもに迷惑をかける話はしたくない」と考え、話合いを先送りしてしまうこともあります。
第三者である行政書士が間に入ることで、感情的になりやすい問題を、手続や書類という客観的な視点から整理できます。
終活は、一度書類を作って終わりではありません。家族の死亡、結婚、離婚、孫の誕生、財産の売却、転居、施設への入所などにより、状況は変化します。
遺言書や契約書を作成した後も、数年ごとや生活環境が変わったときに内容を見直すことが大切です。
行政書士へ相談する前に整理しておきたいこと
最初からすべての資料をそろえる必要はありません。まずは、分かる範囲で次のことをメモしておくと、相談が進みやすくなります。
・ 現在の家族構成
・ 主な財産と負債
・ 不動産の所在地
・ 今後の生活や介護に関する希望
・ 財産を渡したい相手
・ 葬儀や納骨を頼めそうな人
・ 現在最も不安に感じていること
大切なのは、完璧な資料を作ることではありません。
「何となく将来が不安だ」「子どもに迷惑をかけたくない」「自宅をどうするか迷っている」という段階でも、相談することはできます。
終活は一人ひとり内容が違います
家族と同居している人と、一人暮らしの人では、必要な準備が異なります。子どもがいる人、子どもがいない人、再婚した人、事実婚のパートナーがいる人、相続人と疎遠な人でも、検討すべき内容は変わります。
財産が多い人だけが遺言書を必要とするわけでもありません。むしろ、主な財産が自宅だけという場合は、自宅を現金のように簡単に分けられないため、遺産分割が難しくなることがあります。
また、「子どもたちは仲が良いから大丈夫」と思っていても、親の介護負担、過去の援助、配偶者の意見、住宅事情などが絡み、相続をきっかけに感情が表面化することがあります。
【重要ポイント】
遺言書は、家族を疑って作るものではありません。家族を争いから守るために作るものです。
終活を始めるための5つのステップ
介護、住まい、財産、葬儀、お墓などについて、現在の希望を書き出します。途中で考えが変わっても構いません。
誰が法律上の相続人になるのかを確認します。再婚、養子縁組、前婚の子などが関係する場合は、戸籍による確認が重要です。
預貯金、不動産、有価証券、保険だけでなく、借入金、ローン、保証債務についても確認します。
エンディングノート、遺言書、任意後見契約、財産管理等委任契約、見守り契約、死後事務委任契約などから、自分に必要なものを選びます。
せっかく書類を作っても、存在を誰も知らなければ、必要なときに利用できません。保管場所や連絡先を、信頼できる人と共有しておきます。
まとめ ~ 未来の安心と笑顔のために
ブログ100回目の投稿となる今回は、「終活で行政書士がお手伝いできること」というテーマで、遺言・相続を中心に解説してまいりました。
終活とは、決して「人生の終わりを待つ作業」ではありません。 ご自身のこれまでの歩みを誇り、これからの人生を不安なく自分らしく生きるための「前向きなスタート」です。
そして、あらかじめ遺言書や契約の形で想いを残しておくことは、残される大切なご家族同士が争うことなく、いつまでも仲良く暮らしていくための「最高のプレゼント」となります。
- 「自分の場合はどんな準備が必要だろう?」
- 「遺言書を書いておきたいけれど、何から始めればいい?」
- 「身寄りがなくて将来が不安…」
もし少しでも終活や相続について不安や疑問をお持ちでしたら、どうか一人で悩まずに、まずは当事務所へお気軽にご相談ください。
「街の身近な専門家」として、あなたとご家族の未来の安心のために、心を込めて全力で伴走・サポートさせていただきます。
今後とも当ブログ、ならびに当事務所をどうぞよろしくお願い申し上げます。
■ 札幌での相続・遺言のご相談なら
札幌市東区の「つしま行政書士事務所」では、実家の相続手続きや、遺言書の作成に関するご相談を承っております。 40年間の企業法務・契約業務の経験とFPの視点を活かし、ご家族の想いを形にするサポートをいたします。初回相談は無料ですので、一人で悩まずに、まずはお気軽にご連絡ください。
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