【札幌発 父亡き後、兄弟けんかが絶えない】相続不動産の共有名義はトラブルの元、その理由とは 札幌の行政書士やっくんが解説

人生の中では、思いもよらないタイミングで相続という大きな節目が訪れます。 特に、これまでご家族を大黒柱として支えてこられたお父様が亡くなられた後、残されたご遺族様の間で思わぬ摩擦が生じてしまうケースは決して少なくありません。

「うちは兄弟仲が良いから大丈夫」

「昔からお互いを思いやってきたから、争いなんて起きるはずがない」

生前のお父様も、そして残されたご兄弟ご自身も、きっとそう信じておられたことでしょう。 しかし、相続手続きの現場において、多くのご家族が足をとられてしまう大きな落とし穴が存在します。それが「 相続不動産 の共有名義」です。

遺産分割協議の話し合いが難航したり、名義変更の手続き期限が迫ったりした際、「とりあえず今回は兄弟で平等に共有名義にして登記しておこう」「細かい活用方法や売却については、気持ちが落ち着いてからゆっくり後で考えればいい」と判断してしまう方が非常に多くいらっしゃいます。

しかし、率直にお伝えさせていただきますと、この「とりあえず共有名義」こそが、後に深刻な兄弟けんかや人間関係の崩壊を引き起こす最大の原因となってしまうのです。

今回は、なぜ相続不動産の共有名義がこれほどまでにトラブルを引き起こすのか、特にトラブルが激化しやすい「3つの危険な条件」を軸に、行政書士の視点から分かりやすく、詳しく解説させていただきます。

少し長文となりますが、大切なご家族の絆を守り、後悔のない相続を迎えるための知識として、ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。

目次

なぜ 「とりあえず共有名義」を選んでしまうのか

まず、なぜ多くの方がトラブルの危険を冒してまで「共有名義」という選択肢を選んでしまうのか、その心理や背景から見ていきましょう。

親御様が亡くなられた直後は、葬儀の手配から法要、各種行政手続き、銀行口座の凍結解除など、怒涛のような毎日に追われます。精神的な疲労と悲しみが癒えない中で、期限のある手続きを進めなければなりません。

特に不動産(実家や土地など)の相続においては、以下のような事情から「結論を先送り」にしたくなるインセンティブが働きます。

① 誰か1人に絞ると「角が立つ」と感じてしまう

実家を兄1人の名義にすると、弟や妹が「自分は見捨てられた」「損をした」と感じるのではないかと危惧し、平等さを演出するために全員の名義にしようと考える。

② 遺産分割協議がまとまらないが、期限が迫っている

不動産の評価や他の財産の分け方で意見が噛み合わないまま、令和6年4月から義務化された「相続登記」の申請期限(相続を知った日から3年以内)や、各種税務上の猶予期間が迫り、焦って一時的な手段として共有名義登記を行ってしまう。

③「共有」の本当の法律的意味を知らない

「みんなで持っていれば、みんなで仲良く使える」「全員の持ち物だから平等で一番平和だ」という誤ったイメージを持ってしまう。

法律上、不動産を共有名義にすること自体は違法ではありません。民法上も認められた所有形態の一つです。

しかし、不動産における「共有」とは、「1つの不動産に対して、複数の権利者が100%の支配権を争い合う状態」になり得る、極めて不安定な権利関係なのです。

一見すると「公平で円満な解決策」に見える共有名義ですが、時間の経過とともにそのメッキは剥がれ落ち、深刻な対立を生み出します。

不動産を共有名義にすると起きる基本的な法的デメリット

具体的トラブルのケースに入る前に、共有不動産に関する法律上のルール(民法の規定)を整理しておきましょう。ここを理解しておくと、なぜ兄弟間で争いが起きるのかが明確になります。

民法では、共有物(不動産など)に対する行為を、その影響度に応じて以下の3つに分類しています。

1.保存行為(単独で行為可能)

不動産の価値を維持するための行為です。

壊れた屋根や外壁の応急修理

不法占拠者に対する立ち退き請求

必要な維持管理作業

これらは、共有者のうち誰か1人の判断で単独で行うことができます。

2.管理行為(行為のためには、共有者の持分価格の過半数の同意が必要)

不動産の利用や改良に関する行為です。

第三者に賃貸に出す(借地借家法の適用を受ける短期賃貸借など)

賃貸借契約の解除

大規模な修繕やリフォーム作業

持分の過半数(人数の過半数ではなく、所有割合の過半数)の同意がなければ、実施することができません。

3.変更・処分行為(行為のためには、共有者全員の同意が必須)

不動産の物理的変化や、権利そのものを失わせる重大な行為です。

不動産全体を売却・売却処分する

解体して更地にする

抵当権を設定して融資を受ける

長期の賃貸借契約を結ぶ

ここが最も重要なポイントです。「全員の同意が必要」=「誰か1人でも反対すれば、売ることも解体することも一切できない」ということです。

例えば、長男(持分2分の1)と次男(持分2分の1)で実家を共有している場合、長男が「誰も住まないから実家を売却して現金化しよう」と考えても、次男が「思い出が詰まっているから絶対に売りたくない」と反対すれば、その不動産は永久に売却できません。

1人が「Yes」、もう1人が「No」と言った時点で、不動産の活用は完全にストップしてしまいます。これが「共有名義=不動産の凍結」と呼ばれる理由です。

特に危険! トラブルが激化する「3つの条件」

「とりあえず共有名義」にした結果、どのような場面で兄弟間のバトルが勃発するのでしょうか。 冒頭でも触れましたとおり、特に次の「3つの条件」のいずれか(あるいは複数)に該当する場合、トラブルの発生率は跳ね上がります。

条件1 不動産の評価額が高い(資産価値が大きい)

1つ目の危険条件は、「相続した不動産(土地・建物)の評価額が高い」というケースです。

ここ札幌市においても、近年の再開発やアクセス利便性の向上に伴い、地下鉄沿線や中央区、西区、北区などの人気エリアでは地価が著しく上昇しています。また、郊外であっても敷地面積が広く、解体・分譲に適した土地であれば、想定以上の資産価値がつくことがあります。

なぜ評価額が高いとトラブルになるのか?

動く金額が大きければ大きいほど、人間の欲望や「損をしたくない」という心理が強く働くからです。

評価額が数百万円程度の山林や老朽物件であれば、「面倒だからお前に任せるよ」と譲り合いが生まれることもあります。しかし、価値が3,000万円、5,000万円、あるいは1億円を超えるような不動産となると、話は一変します。

① 売却タイミングの対立

兄: 「いま札幌の地価は高騰している。価値が高いうちに売却して、現金を兄弟で山分けにしよう」

弟: 「いや、まだ地価は上がるはずだ。あるいはインフレ対策として所有し続け、将来賃貸マンションでも建てた方が得だ」 評価額が高額であればあるほど、「今売るか、将来売るか」という戦略の決定権を巡って激しい対立が起こります。

② 譲渡所得税や維持費の負担感を巡る対立

不動産を売却すると、売却益に対して「譲渡所得税」がかかります。また、保有している間は多額の「固定資産税・都市計画税」が発生します。 価値が高い不動産ほど税金も高額になります。「売却に伴う税金を誰がどれだけ負担するのか」「固定資産税の立替分をどう清算するのか」という金銭的な計算において、1円単位での主張がぶつかり合い、感情的なもつれへと発展します。

③ 不動産鑑定評価の相違

不動産の価値を測る基準には「路線価」「固定資産税評価額」「公示地価」「実勢価格(実際に売れる価格)」など複数存在します。 評価額が高い物件の場合、どの評価基準を採用するかによって数百万円から千万円単位の差が生じます。「高く売りたい側」と「自分の持分を相手に買い取らせたい側」で主張する評価額が異なり、協議は平行線をたどります。

2.現在、その家に兄弟の誰かが住んでいる

2つ目の危険条件は、「相続した実家や建物に、兄弟のうちの特定の1人(とその家族)が現在も住み続けている」というケースです。

例えば、「長男夫婦が生前から高齢のお父様と同居して介護をしており、お父様が亡くなった後もそのまま実家に住み続けている。しかし、登記は兄と弟の共有名義にした」というようなシナリオです。

このケースは、最もドロドロとした感情的対立に発展しやすいパターンと言えます。

「住んでいる兄」と「住んでいない弟」の決定的な温度差

この状況下では、兄弟間で置かれている立場と利益が完全に真逆になります。

住んでいない弟の言い分: 実家は父さんの大切な遺産であり、自分にも半分(持分2分の1)の権利がある。兄さんはその貴重な資産を独占して無料で使っているのだから、自分に対して家賃(相当額)を払うか、あるいは家を売却して私の取り分を現金で支払ってほしい。自分が住めないのに、なぜ兄さんのために資産を寝かせておかなければならないのか。

住んでいる兄の言い分: 自分は長年、父さんの介護を一人で背負ってきたんだ。弟は家を出て好き勝手に暮らしていたじゃないか。今さら「出ていけ」とか「家賃を払え」と言うなんて不条理だ。住む場所を奪われたら路頭に迷ってしまう。

法律上の現実と感情の乖離

法律的な観点から言いますと、共有者の一人が共有不動産全体を占有して住んでいる場合、他の共有者は原則として「当然には立ち退きを請求できない」とされています(最高裁判所の判例による)。なぜなら、住んでいる側も持分に応じた「使用権」を持っているからです。

一方で、住んでいない側は、住んでいる側に対して「自分の持分に応じた不当利得返還請求(家賃相当額の請求)」ができる場合があります。

しかし、兄側からすれば「実家を守り、親の介護をした自分に対して、実の弟から家賃を請求される」という事態は、感情的に到底受け入れられるものではありません。 逆に弟側からすれば「兄だけが実家という大きな資産をタダで享受し、自分はアパートの家賃を払い続けているのは不公平だ」と感じます。

結果として、盆やお正月に顔を合わせることもなくなり、弁護士を立てての法的な争いへと泥沼化していくのです。

条件3 兄弟間の経済的事情(収入・資産状況)に大きな差がある

3つ目の危険条件は、「兄弟の間で、現在の経済的ゆとりやライフステージに大きな格差が存在する」というケースです。

親が亡くなる時期というのは、子供世代である兄弟も50代、60代、あるいは70代を迎えていることが多く、それぞれの人生において置かれている経済状況は大きく異なります。

兄: 上場企業を定年退職し、十分な退職金と年金があり、持ち家も完済している。経済的に非常にゆとりがある。

弟: 早期退職や病気、商売の不振などにより収入が不安定で、ローンの支払いや老後資金に強い不安を抱えている。

このような格差が存在する状態で不動産を共有名義にしてしまうと、不動産に対するニーズが180度異なってしまうため、合意形成が不可能です。

経済的格差が生む決裂の構図

お金に困っている 弟の主張: 「とにかく一刻も早く実家を売りたい。売却して得た1,500万円があれば、今の借金を返済し、老後の生活費に充てることができる。背に腹は代えられない」

経済的にゆとりがある 兄の主張: 「今は不動産市場のタイミングが悪いから売るべきではない。父さんが残してくれた生家なのだから、自分が生きている間はそのまま残しておきたい。売却して急いでお金にする必要などどこにもない」

お金に困っている側は「現金化」を急ぎます。しかし、前述した通り、共有不動産全体を売却するには共有者全員の同意が必要です。ゆとりがある側が「売りたくない」と反対すれば、困っている側はお金を手にすることができません。

すると、追い詰められた側は、最悪の手段に出ざるを得なくなります。それが「自分の共有持分だけを、外部の専門業者に売却・買い取ってもらう」という選択です。

共有持分の第三者譲渡という悲劇

法律上、不動産「全体」を売るには全員の同意が必要ですが、自分が持っている「持分(例えば2分の1という権利)」だけであれば、他の共有者の同意がなくても単独で第三者に売却することができます。

世の中には、こうした「訳ありの共有持分」を買い取る専門の不動産業者が存在します(当然、市場価格より大幅に安く買い叩かれます)。

もし弟が自分の持分を業者に売却してしまうと、どうなるでしょうか?

ある日突然、兄のもとに見知らぬ不動産業者から連絡が届き、「当社が弟様から持分2分の1を買い取りました。つきましては、この家を当社に買い取っていただくか、兄様の持分を当社に売却するか、あるいは家賃をお支払いください」と交渉を迫られることになるのです。

話し合いに応じなければ、業者は裁判所に「共有物分割訴訟」を起こし、競売にかけて家を強制的に売却させようとします。

経済的な格差を無視して「とりあえず共有名義」にした結果、兄弟関係が破綻するだけでなく、見知らぬ業者や第三者が実家の権利に割り込んでくるという最悪のシナリオを招いてしまうのです。

時間の経過とともに悪化する「数次相続」の恐怖

ここまで「3つの危険条件」についてお話ししてきましたが、共有名義の恐ろしさはこれだけに留まりません。さらに恐ろしいのは、「時間の経過とともに事態がネズミ算式に悪化していく」という点です。これを専門用語で「数次相続(すうじそうぞく)」と呼びます。

お父様が亡くなった際、兄と弟、妹の3人で実家を3分の1ずつ共有名義にしたとします。 時は流れ、15年後、20年後に兄が亡くなりました。

すると、兄が持っていた「2分の1の持分」は、兄の妻や子供たちへと相続されます。 さらに数年後、弟も亡くなると、弟の持分もまたその配偶者や子供へと相続され、さらに妹も亡くなるとまた配偶者や子供へと相続されます。

当初は「兄と弟及び妹の3人」だった共有者が、次の世代、その次の世代へと引き継がれることで、共有者が5人、10人、15人と膨れ上がっていくのです。

面識のない従兄弟同士での話し合い

世代が交代すると、権利を持っているのは「昔から仲が良かった兄・弟・妹」ではなく、「ほとんど会ったこともない従兄弟同士」や「叔母・叔父」になります。

こうなると、以下のような事態が確実に発生します。

共有者のうち数人と連絡が取れない(行方不明・住所不明)

海外に居住している共有者がいる

認知症になり、意志能力を失っている共有者がいる

「顔も見たことがない親戚のために、なぜ自分が協力しなければならないのか」と協力・印鑑証明書の提供を拒否される

令和6年4月以降、登記事項証明書を見ても所有者の住所変更が追えないような「所有者不明土地問題」を解消するための新法が施行されましたが、それでも大人数の共有状態から抜け出すには、多大な時間、労力、そして弁護士費用等のコストがかかります。

「自分たちの代で結論を出すのが嫌だから」と問題を先送りにして共有名義にした結果、その重いツケはすべてお子さんや孫の世代へと先送りされ、大切な子孫に多大な迷惑をかけることになってしまうのです。

行政書士が教える!共有名義を回避・解消するための処方箋

では、お父様が亡くなられた後、不動産を共有名義にせず、円満に相続手続きを進めるためにはどうすれば良いのでしょうか。

ここからは、実務の現場で用いられる具体的な解決策・予防策をご紹介いたします。

解決策1 「単独所有」+「代償分割」の活用

不動産の共有を防ぐ最も王道であり、推奨される方法が「代償分割」です。

これは、特定の1人(例:長男)が不動産を丸ごと「単独名義」で相続する代わりに、不動産を引き継げなかった他の相続人(例:次男)に対して、長男の自己資金から「代償金(現金)」を支払うという手法です。

代償分割のイメージ

相続財産: 実家(評価額3,000万円)

相続人: 長男、次男(法定相続分は各2分の1、1,500万円ずつ)

【手続き手順】

長男が実家(3,000万円相当)を単独名義で相続します。

長男は自分の手持ち資金(預貯金やローンなど)から、次男に対して1,500万円の代償金を支払います。

この方法であれば、不動産の名義は長男1人にすっきりまとまるため、将来の売却や活用の自由度が保たれます。次男も共有名義という不安定な権利ではなく、「現金」という最も使い勝手の良い形で公平に遺産を受け取ることができます。

 長男側に代償金を支払うだけの資金力がない場合は、実家を担保に融資を受けるか、後述する「換価分割」を検討することになります。

解決策2 「換価分割(かんかぶんかつ)」による現金化

    「誰もその家に住む予定がない」「誰も代償金を払えるほどの現金を持っていない」という場合に非常に有効なのが換価分割です。

    これは、相続した不動産を第三者に売却して現金に換え、その売却代金から仲介手数料や税金などの諸経費を差し引いた「手残り額」を、兄弟で決めた割合(例:半々)で分け合う方法です。

    換価分割の手順と注意点

    遺産分割協議書に「不動産を売却し、その代金を相続人で分配する(換価分割する)」旨を明記します。

    売却手続きをスムーズに進めるため、代表者1人の名義に一時的に相続登記を行います。

    ※ これは共有名義ではなく、売却のための便宜上の単独名義です。

    不動産会社を通じて物件を売却します。

    売買代金が入金されたら、経費を差し引いた残金を協議書通りに分配します。

    現金にしてしまえば、1円単位で正確に分けることができるため、最も「不公平感」が生まれません。思い出の詰まった実家を手放す寂しさは伴いますが、後々まで尾を引くトラブルの種を完全に摘み取るという意味では、極めて理にかなった解決策です。

    解決策3 すでに共有名義にしてしまっている場合の脱出法

      「この記事を読む前に、すでに兄弟での共有名義で登記を完了させてしまった…」という方もご安心ください。手遅れではありません。時間が経てば経つほど難しくなりますが、早めに対処すれば共有状態を解消することができます。

      ① 他の共有者への「持分売買」または「持分放棄」

      住んでいる兄が、弟の持分を買い取る(持分売買)。あるいは、要らないと思っている側が持分を譲渡する。

      ② 全員で協力して第三者へ一括売却

      兄弟間でまだ会話が成り立つうちに、「このまま持っていても税金がかかるだけだから」と話し合い、全員合意のもとで不動産全体を売却して現金化する。

      ③ 土地の場合は「筆分(分筆)」を検討する

      相続したのが広い「土地」である場合、土地を真ん中で2つに切り分け(分筆登記)、東側を兄の単独所有、西側を弟の単独所有とする方法です。ただし、道路への接道状況や土地の形状によって価値に差が出るため、土地家屋調査士などの専門家を交えた慎重な設計が必要です。

      お父様がご存命のうちにできる最高のプレゼント「遺言書」

      ここまで、父亡き後の兄弟トラブルとその対策について解説してきました。 しかし、行政書士として数多くの現場を見てきた私から、最も強くお伝えしたいことがあります。

      それは、「相続トラブルを未然に防ぐ最高の手段は、生前にお父様自身が『遺言書』を作成しておくことである」という事実です。

      亡くなられたお父様が遺言書を残していない場合、残されたご兄弟は「遺産分割協議」という名の話し合いを行わなければなりません。 どれほど仲の良かった兄弟であっても、「お金」と「不動産」が絡むと、それぞれの配偶者の意見や生活状況が影響し、主張がぶつかり合ってしまいます。

      もし、生前にお父様が、

      実家は長男に相続させる。その代わり、〇〇の預貯金は次男に相続させる。

      実家は売却して、売却益を兄弟で等しく分けること。

      というように、指針を明確にした法律的に有効な遺言書(特に公正証書遺言)を作成しておけば、残された子供たちは遺産分割協議をする必要すらなくなります。父の遺志に従ってスムーズに手続きを進めることができ、兄弟が揉める余地そのものがなくなるのです。

      ご両親がご存命であるならば、「万が一の時のため、そして子供たちの仲を守るために、遺言書を書いておいてほしい」と優しく伝えていただくことが、将来の家族の平和を守る最大の鍵となります。

      まとめ ~ 大切なご家族の絆を「不動産」で切り裂かないために

      今回は、「相続不動産の共有名義が引き起こすトラブルの理由」について詳しく解説させていただきました。

      最後にもう一度、ポイントを振り返ってみましょう。

      「とりあえず共有名義」は問題を解決せず、単に先送りしているだけ。

      不動産全体を売却・解体するには共有者全員の同意が必要となり、権利が凍結する。

      「評価額が高い」「誰かが住んでいる」「経済格差がある」の3条件に該当する場合、トラブルは一気に劇化・泥沼化する。

      数次相続が発生すると共有者がネズミ算式に増え、子孫の代まで負の遺産が残る。

      回避策としては「代償分割」や「換価分割」を活用し、安易な共有名義を避けることが鉄則。

      親が亡くなった後、兄弟間で争い、絶交状態になってしまうのは、天国のお父様・お母様にとっても最も悲しい出来事に違いありません。 争いの原因の多くは、兄弟の性格が悪くなったからではなく、「共有名義という不完全な法的仕組み」の中に放り込まれてしまったことにあります。

      相続手続きや遺産分割協議は、専門的な法律知識だけでなく、ご家族ごとの感情のひだに配慮した丁寧な舵取りが求められます。

      「うちの家族の場合はどう分けるのが一番良いのだろう?」

      「すでに共有名義にしてしまった実家をどうにかしたい」

      「親に遺言書を書いてもらうにはどう切り出せばいい?」

      行政書士は「街の身近な専門家」です。皆さまの疑問や不安に寄り添い、大切なご家族の笑顔と絆を守るための最適な解決策をご提案させていただきます。

      最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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