【札幌発 相続手続きが楽になる】その切り札 法定相続情報証明書とは?札幌の行政書士やっくんが解説

ご家族が亡くなられた深い悲しみの中、残されたご遺族を待ち受けているのが「相続手続き」という高い壁です。

お葬式や法要が落ち着いた頃に直面する、預貯金の解約、不動産の名義変更、有価証券の移管などの手続き。これらは想像以上に煩雑で、多くの時間と労力を必要とします。特に、平日の日中にお仕事をされている方にとって、銀行や役所、法務局を何度も往復することは、心身ともに大きな負担となるでしょう。

そんな札幌にお住まいのご遺族の皆様に、相続手続きの負担を劇的に軽くする「切り札」とも言える制度をご紹介します。それが「法定相続情報証明制度」です。

本記事では、この「法定相続情報証明書」とは一体何なのか、なぜそれが手続きを楽にするのか、そして具体的な取得方法から活用方法まで、詳しく解説いたします。

目次

相続手続きにおける最大の難関「戸籍集め」について

法定相続情報証明書について解説する前に、まずは従来の相続手続きがどれほど大変だったのかを振り返ってみましょう。ここを理解することで、この制度の素晴らしさがより鮮明になります。

1.分厚い「戸籍の束」を持ち歩く日々

相続手続き(銀行口座の解約や不動産の相続登記など)を行う際、窓口で必ず求められるのが「亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本」と「相続人全員の現在の戸籍謄本」です。

なぜこれらが必要かというと、「誰が本当の相続人なのか」を金融機関や法務局が客観的に確認するためです。しかし、この戸籍集めが一筋縄ではいきません。

・ 本籍地が何度も変わっている場合: 転籍や結婚のたびに本籍地が変わっていると、現在の本籍地だけでなく、過去の本籍地(札幌から東京、さらには本州の別の県など)の役所それぞれに請求をかけなければなりません。

・ 昔の戸籍の解読が困難: 昭和初期や大正時代の手書きの戸籍(除籍謄本・改製原戸籍)は、筆文字で読みにくく、誰が誰だか把握するだけでも一苦労です。

こうして苦労して集めた戸籍は、時に数センチの厚さの「束」になります。

2.窓口での長い待ち時間と「順番待ち」のジレンマ

従来の方式では、この「戸籍の束」と「遺産分割協議書」などの必要書類を抱えて、まずはA銀行へ行きます。A銀行の窓口では、担当者が分厚い戸籍を1ページずつめくり、相続関係をチェックするため、平気で1時間以上の待ち時間が発生します。

さらに困るのが、「原本還付(原本を返してもらうこと)」の手間です。

戸籍の束は1セットしか取得していない場合、A銀行での手続きが終わって原本を返却してもらってからでないと、次のB銀行やC証券会社、法務局での手続きに進めません。

もし手続き先が5箇所あった場合、1箇所に1週間から2週間かかるとすると、すべての手続きが終わるまでに数ヶ月を要してしまうことも珍しくありませんでした。

救世主「法定相続情報証明書」とは?

このようなご遺族の負担を軽減するため、2017年(平成29年)5月29日から法務局でスタートしたのが「法定相続情報証明制度」です。

簡単に言うと、「苦労して集めた戸籍の束の代わりに、法務局がお墨付きを与えた『家系図のような1枚の紙(法定相続情報一覧図の写し)』を無料で何枚でも発行してくれる制度」です。

従来の手続きとの比較

この制度を利用することで、手続きのフローがどのように変わるのか、表で比較してみましょう。

比較項目従来の相続手続き(戸籍の束を使用)法定相続情報証明書を利用した場合
提出する書類分厚い戸籍謄本一式の束ペラ1枚の証明書(法定相続情報証明書)
窓口の待ち
時間
担当者が戸籍を読み解くため非常に長い法務局の認証済みのためスピーディー
同時進行1セットしかない場合は不可(順番待ち)何枚でも発行できるため複数窓口で同時進行可能
証明書の発行手数料戸籍は1通450円〜750円(複数セット用意すると高額)無料(法務局での発行手数料は0円)
紛失のリスク原本を持ち歩くため紛失リスクが高い証明書を提出するだけなので、戸籍原本は安全に保管可能

【ポイント】

法定相続情報証明書は、偽造防止のための特殊な用紙に印刷され、法務局の登記官の認証文と公印が押されています。この1枚を提出するだけで、分厚い戸籍の束を提出したのと同じ強力な法的効力を持ちます。

※ 札幌法務局 法定相続情報証明制度について

札幌での相続で「切り札」となる4つの理由

札幌市およびその近郊で相続手続きを進める上で、この制度がなぜ強力なメリットをもたらすのか、具体的に解説します。

メリット①: 複数の金融機関の手続きを「同時並行」で進められる

札幌にお住まいの方の多くは、給与振込や生活口座として「北洋銀行」や「北海道銀行」、そして「ゆうちょ銀行」などを複数利用されています。さらに、ネット証券や地元の信用金庫にも口座があるケースも多いでしょう。

法定相続情報証明書は、必要な枚数だけ無料で取得できます。5枚取得して、北洋銀行、北海道銀行、ゆうちょ銀行、証券会社、法務局へ同時に郵送または持ち込みを行うことで、数ヶ月かかっていた手続きが最短数週間で一気に完了します。

メリット②: 金融機関窓口での待ち時間が劇的に短縮される

札幌市内の銀行窓口は、特に月末や5と10のつく日には大変混雑します。ただでさえ待たされる窓口で、「戸籍の解読」による長時間の待機は大きなストレスです。

法定相続情報証明書を提示すれば、銀行の担当者は「法務局が既に相続人を確定させている」と判断できるため、戸籍のチェック作業が省略され、審査が非常にスムーズに進みます。

メリット③: 戸籍謄本の取得費用を大幅に節約できる

もし、同時並行で手続きを進めたいがために、戸籍の束を最初から3セット取得したとしましょう。

亡くなった方の出生から死亡までの戸籍(改製原戸籍や除籍謄本は1通750円)を複数枚、相続人全員の戸籍(1通450円)を集めると、1セットで数千円〜1万円程度かかることもあります。これを3セット用意すれば、戸籍代だけで数万円の出費になってしまいます。

法定相続情報証明書制度を利用すれば、戸籍の束は「最初の1セット」だけ取得すれば済みます。その後の証明書発行は何枚でも無料です。

メリット④: 大切な戸籍原本の紛失・汚損を防げる

相続手続きであちこちに戸籍原本を郵送したり持ち歩いたりしていると、郵送事故や不注意による紛失のリスクが伴います。特に、古い除籍謄本などは二度と再発行できないわけではありませんが、再度取得するのは非常に手間です。

証明書を提出書類として使えば、貴重な戸籍の原本はご自宅の金庫などに大切に保管しておくことができます。

法定相続情報証明書が利用できる主な場所

この証明書は、現在では相続手続きのほぼすべての場面で「戸籍の代替」として利用できるようになっています。

① 法務局: 不動産(土地・建物・マンション)の相続登記(名義変更)

② 金融機関: 銀行、信用金庫、信用組合、ゆうちょ銀行での口座解約・名義変更

③ 証券会社: 株式や投資信託、国債などの有価証券の移管手続き

④ 税務署: 相続税の申告書への添付

⑤ 年金事務所: 遺族年金の請求や未支給年金の請求手続き

⑥ 運輸支局: 自動車の相続による名義変更手続き

ただし、ごく一部の共済組合や独自の規定を持つ企業年金などでは、依然として戸籍原本の提示を求められるケースもゼロではありません。念のため、手続き先に「法定相続情報証明書で対応可能か」を事前に確認しておくと安心です。

取得までの具体的な5つのステップ(札幌版)

それでは、実際にこの証明書を取得するための手順を詳しく見ていきましょう。一見難しそうに見えますが、順を追って進めれば確実に行うことができます。

STEP
必要書類(戸籍等)の収集

一番最初にして、最も労力がかかるのがこのステップです。結局のところ、法務局に証明書を発行してもらうためには、その根拠となる戸籍を一度は集めて法務局に提出しなければなりません。

【必ず集めるもの】

① 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍

被相続人(亡くなった方)の住民票の除票(または戸籍の附票)

相続人全員の現在の戸籍謄本

申出人(手続きをする相続人)の身分証明書のコピー(運転免許証、マイナンバーカードなど)

【札幌での戸籍収集のワンポイント】

北海道にお住まいの方の多くは、祖父母や曽祖父母の代に本州(東北や北陸など)から移住されてきたルーツをお持ちです。そのため、被相続人の出生時の本籍地が青森県や石川県など、遠方にあるケースが非常に多いです。現在は戸籍法の改正により、本籍地以外の最寄りの市区町村窓口(札幌市の各区役所など)でも戸籍の広域交付請求が可能になりました。これにより、以前よりも戸籍集めは格段に楽になっています。

STEP
「法定相続情報一覧図」の作成

集めた戸籍をもとに、被相続人と相続人の関係を示す家系図のようなもの(一覧図)をパソコン等で作成します。

① 用紙はA4サイズの丈夫な白紙を使用します。

② 被相続人の氏名、最後の住所、生年月日、死亡年月日を記載します。

③ 相続人全員の氏名、生年月日、続柄を記載します。

④ 相続人の住所を記載することも可能です(住所を記載しておくと、不動産の相続登記や銀行手続きで住民票の提出を省略できる場合があり便利です。ただし、その場合は相続人全員の住民票を法務局へ提出する必要があります)。

※ 法務局のホームページにExcelやWordのテンプレートが用意されているので、そちらを活用するのが最も確実です。

法務局:主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例

STEP
申出書の記入

法務局の窓口にある、またはホームページからダウンロードした「法定相続情報証明制度の申出書」に必要事項を記入します。利用目的や、証明書が何通必要かを記載します。「銀行用3通、証券会社用2通、不動産用1通、予備2通で計8通」など、少し多めに申請しておくのがコツです。

STEP
管轄の法務局へ提出

書類一式が揃ったら、法務局へ提出します。札幌にお住まいの方の場合、管轄の法務局は以下のいずれかになります。

【申出ができる法務局(以下のいずれかの管轄)】

① 被相続人の本籍地

② 被相続人の最後の住所地

③ 申出人(相続人)の住所地

④ 被相続人名義の不動産の所在地

    例えば、亡くなったお父様も、手続きをするご自身も札幌市内に住んでいる場合、「札幌法務局(本局、または各出張所)」へ提出することになります。郵送での申出も可能です。

    STEP
    証明書の交付・受け取り

    法務局で提出書類と戸籍の内容に相違がないか審査が行われます。混雑状況にもよりますが、おおむね数日〜1週間程度で「法定相続情報証明書(法定相続情報一覧図の写し)」が交付されます。

    この際、提出した戸籍原本の束はすべて返却(原本還付)されますのでご安心ください。

    注意点とよくある落とし穴

    非常に便利な制度ですが、いくつか知っておくべき注意点があります。

    1.「遺産分割協議書」の代わりにはならない

    法定相続情報証明書は、あくまで「誰が法定相続人であるか」を公的に証明するだけの書類です。「誰がどの財産をどれくらい相続するか」という話し合いの結果を証明するものではありません。したがって、実際の口座解約や不動産の名義変更においては、この証明書に加えて「遺産分割協議書」と「相続人全員の印鑑証明書」が別途必要になります。

    2.相続放棄をした人がいる場合

    相続人のうち誰かが家庭裁判所で「相続放棄」をしたとしても、法定相続情報証明書にはその旨は記載されません(戸籍上は相続人として記載されたまま図が作成されます)。そのため、相続放棄者がいる場合は、手続き先にこの証明書と一緒に「相続放棄申述受理通知書」などを提出する必要があります。

    3.制度を利用できないケースがある

    被相続人や相続人が日本国籍を有していない(戸籍がない)場合などは、この制度を利用することができません。

    4. 最初の「戸籍集めと図面の作成」の手間は変わらない

    この制度の最大のパラドックスですが、「戸籍の提出を省略するために、まずは戸籍を完璧に集めなければならない」という点です。

    役所が自動的にこの証明書を作って郵送してくれるわけではありません。ご自身で戸籍を漏れなく集め、法務局の厳格なルールに従って一覧図を作成し、審査を通すという一番ハードルの高い作業を乗り越えなければ、この「切り札」は手に入りません。

    なぜ、札幌の行政書士に依頼すべきなのか?

    ここまでお読みいただいて、「便利だとはわかったけれど、戸籍をさかのぼって集めたり、法務局のルール通りに図面を作る自信がない」「平日は仕事で役所や法務局に行く時間なんて全くない」と感じられた方も多いのではないでしょうか。

    そこで頼りになるのが、国家資格者である行政書士の存在です。

    1.煩雑な戸籍収集を「職権」で丸ごと代行

    行政書士は、法律により認められた「職権(職務上請求)」を使用して、ご依頼者様に代わって全国各地の役所から戸籍謄本をスピーディーに収集することができます。本州の遠方にある古い戸籍も、手書きで読めない除籍謄本の解読も、すべてプロにお任せいただけます。

    2.法務局の審査を一発でクリアする正確な書類作成

    法定相続情報一覧図の作成は、線の引き方や続柄の記載方法など、法務局の細かなルールに則って作成する必要があります。少しでも間違っていると補正(やり直し)を求められ、何度も法務局へ足を運ぶ羽目になります。行政書士は日頃からこれらの公文書作成に精通しているため、審査をスムーズに通過する完璧な書類を作成いたします。

    3.銀行手続きまでトータルサポート

    行政書士は、法定相続情報証明書の取得だけでなく、その後の「銀行の預貯金解約」「証券会社の株式移管手続き」、さらには「遺産分割協議書の作成」までをトータルでサポートすることが可能です。

    札幌市内の銀行(北洋銀行、北海道銀行など)の独自の手続きルールにも精通しているため、ご遺族の方は一度も銀行窓口に並ぶことなく、ご自身の口座に相続金が振り込まれるのを待つだけ、という状態にすることも可能です。

    ※ なお、不動産の相続登記(名義変更)については司法書士の独占業務、相続税の申告については税理士の独占業務となりますが、相続に強い行政書士事務所であれば、信頼できる地元の司法書士や税理士と提携しており、ワンストップで窓口となってすべてを手配いたします。

    まとめ ~ 相続手続きのストレスを最小限にするために

    愛するご家族を亡くされた後の相続手続きは、決して簡単なものではありません。悲しみの中で、見慣れない法律用語と向き合い、何度も窓口に通うことは、心身を深く疲弊させます。

    しかし、今回ご紹介した「法定相続情報証明書」という制度を活用することで、その負担は間違いなく劇的に軽減されます。「戸籍の束を持ち歩く」という旧時代の手続きから解放され、スマートかつスピーディーに手続きを進めることができる、まさに現代の相続における「切り札」です。

    もし、ご自身で手続きを進めるのが難しいと感じられたら、どうかお一人で悩まずに、専門家を頼ってください。

    私たち札幌の行政書士は、単に書類を作成するだけの代行業者ではありません。ご遺族の皆様の悲しみに寄り添い、少しでも早く平穏な日常を取り戻していただくための伴走者でありたいと願っています。

    「うちの場合はどうなるの?」「何から手をつければいいのか全くわからない」といったご相談でも構いません。まずは一歩を踏み出し、専門家の無料相談などを活用して、負担のないスムーズな相続手続きを実現させましょう。札幌で相続に関するお悩みがあれば、いつでもお気軽にお声がけください。皆様の重荷を下ろすお手伝いを、誠心誠意させていただきます。

    ■ 札幌での相続・遺言のご相談なら

    札幌市東区の「つしま行政書士事務所」では、実家の相続手続きや、遺言書の作成に関するご相談を承っております。 40年間の企業法務・契約業務の経験とFPの視点を活かし、ご家族の想いを形にするサポートをいたします。初回相談は無料ですので、一人で悩まずに、まずはお気軽にご連絡ください。

    【お問い合わせ先】 つしま行政書士事務所

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