【札幌発 介護施設ってわかりづらい!】種類や費用及び選び方について 札幌のFP&行政書士やっくんが解説

「親の足腰が弱くなってきたから、そろそろ介護施設を考えないといけないけれど、調べれば調べるほど頭が混乱してくる……」

「特養、有料老人ホーム、サ高住って何が違うの? 費用はいくらかかるの?」

札幌市内で行政書士事務所を運営する私の元にも、このような切実なご相談が数多く寄せられます。結論から申し上げますと、介護施設がわかりづらいのは当然です。なぜなら、国や自治体が運営に関わる「公的施設」と、民間企業が自由な発想で運営する「民間施設」が混在しており、それぞれに入居条件、サービス内容、料金体系がまったく異なるからです。

さらに、札幌市内だけでも数多くの高齢者施設が存在し、地域性や冬の積雪対策といった「札幌ならではの視点」も外せません。

この記事では、介護の予備知識がゼロの方でもしっかりと理解できるよう、介護施設の種類、具体的な費用相場、後悔しない選び方を徹底解説します。ご家族の「これからの暮らし」を守るためのバイブルとして、ぜひ最後までお読みください。

目次

介護施設は大きく2つに分かれる  「公的施設」と「民間施設」

介護施設を理解する第一歩は、全体を「公的施設(介護保険施設など)」と「民間施設」の2つのグループに分けて考えることです。

まずは、この2つのグループの根本的な違いを表で確認してみましょう。

このように、それぞれ一長一短があります。それでは、各グループに属する具体的な施設の種類を深掘りしていきましょう。

【徹底比較】  介護施設・高齢者住まいの「8種類」

一言に「高齢者向けの施設」と言っても、元気なうちから入れる賃貸住宅のようなものから、24時間の手厚い医療・介護を受けられる施設まで多種多様です。ここでは、代表的な8つの種類を詳しく解説します。

1.特別養護老人ホーム(とくよう)

① 特徴

公的施設の代表格で、原則として「終の棲家(ついのすみか)」として利用できる施設です。

24時間体制で介護スタッフが常駐し、入浴、食事、排泄などの日常生活の介助を全面的に受けられます。

② 入居条件

原則として要介護3以上の高齢者

③ 札幌の現状

費用が安く手厚い介護が受けられるため、札幌市内でも非常に人気が高く、数百人単位の入居待ち(待機高齢者)が発生しているケースが珍しくありません。ただし、要介護度が高い方や認知症が重い方など、必要性の高い人から優先的に入居できる仕組みになっています。

2.介護老人保健施設(ろうけん)

① 特徴

病院を退院した後、いきなり自宅に戻るのが不安な方が、「在宅復帰」を目指してリハビリを行うための期間限定の公的施設です。医師や看護師が手厚く配置され、理学療法士や作業療法士による専門的なリハビリを受けられます。

② 入居条件

要介護1以上。

③ 注意点

終の棲家にはできません。通常は3ヶ月〜半年程度で退所を求められ、自宅に戻るか、他の民間施設などへ移る必要があります。

3.介護医療院

① 特徴

主に慢性期の医療ケア(たんの吸引、経管栄養など)が必要な、「医療依存度が高い高齢者」を対象とした公的施設です。かつての「介護療養型医療施設」から移行が進んだもので、長期的な療養生活と介護を一体的に提供します。

② 入居条件

要介護1以上(実際は要介護4〜5の重度の方が中心です)。

4.ケアハウス(軽費老人ホーム)

① 特徴

身寄りがない、または家族との同居が困難で、経済的な理由や身体的な理由から一人暮らしに不安がある高齢者が、比較的低料金で利用できる公的施設です。食事の提供や洗濯などの生活支援が受けられます。

② 種類

自立した方向けの「一般型」と、要介護認定を受けた方向けの「介護型」があります。

5.介護付き有料老人ホーム

① 特徴

民間施設の代表格です。都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設で、施設の専属スタッフが24時間体制で介護サービスを提供します。リクリエーションが豊富で、ホテルのような豪華な設備を持つ施設もあります。

② 入居条件

自立から要介護5まで幅広く受け入れている施設が多いです。

③ メリット

毎月の介護保険自己負担額が「定額(定額制)」のため、介護度が上がっても費用の見通しが立ちやすいのが特徴です。

6.住宅型有料老人ホーム

① 特徴

民間施設の中で、近年もっとも数が付いているタイプの一つです。施設そのものは「見守り」や「食事の提供」といった生活支援を行い、介護が必要になった場合は、外部の訪問介護事業所などと個別に対処(契約)してサービスを利用します。

② 札幌での傾向

札幌市内では、訪問介護事業所やケアプランセンターが併設されている住宅型有料老人ホームが非常に多く、実質的には「介護付き」と変わらない手厚いケアを受けられる施設が多数派を占めています。

7.サービス付き高齢者向け住宅(さこうじゅう)

① 特徴

高齢者向けの「バリアフリー賃貸住宅」です。法律に基づき、少なくとも「安否確認(見守り)」と「生活相談」の2つのサービスが提供されます。原則として自由度が高く、外出や外泊も個人の裁量で行えます。

② 種類

比較的元気な方が暮らす「一般型」と、介護スタッフが常駐する「介護型」があります。一般型の場合、介護が必要になったら外部のヘルパーを利用します。

8.認知症高齢者グループホーム

① 特徴

認知症の診断を受けた高齢者が、1ユニット(5人〜9人)という少人数のアットホームな環境で共同生活を送る施設です。スタッフのサポートを受けながら、利用者が自分の力に応じて料理や掃除などの家事を分担し、認知症の進行を穏やかにすることを目指します。

② 入居条件

要支援2以上の認知症高齢者で、原則として施設と同じ市区町村に住民票があること(札幌市内のグループホームであれば、札幌市民である必要があります)。

【2026年最新】  介護施設の費用の仕組みと相場

「結局、毎月いくら払えばいいの?」

これが一番気になるポイントですよね。介護施設の費用は、主に「入居一時金(初期費用)」と「月額費用(毎月の支払い)」の2つで構成されています。

1.費用を構成する主な内訳

① 施設利用料(家賃・管理費・光熱費): 部屋の家賃や施設の維持管理にかかる費用。

② 食費: 毎日の食事代。

③ 介護保険サービス自己負担分: ケアを受けた分(または定額)にかかる費用(所得に応じて1割〜3割負担)。

④ 医療費・日常生活費: 持病の診察代、おむつ代、理美容代、趣味の費用など。

2.【種類別】 入居一時金と月額費用の相場一覧

現在の一般的な費用相場(目安)は以下の通りです。地域や施設のグレードによって大きく変動しますが、一つの基準として参考にしてください。

施設の種類入居一時金(初期費用)の目安月額費用の目安(総額)
特別養護老人ホーム(特養)なし(0円)約6万円 〜 15万円
介護老人保健施設(老健)なし(0円)約8.8万円 〜 15万円
介護医療院なし(0円)約8.6万円 〜 15.5万円
ケアハウス(軽費老人ホーム)0円 〜 数十万円約7.5万円 〜 13万円
介護付き有料老人ホーム0円 〜 数百万円
(※高級施設は数千万円)
約15万円 〜 30万円以上
住宅型有料老人ホーム0円 〜 数十万円約10万円 〜 20万円
サービス付き高齢者向け住宅敷金として家賃の2〜3ヶ月分約11万円 〜 20万円
認知症グループホーム0円 〜 数十万円約8.3万円 〜 14万円

3.💡 必見!費用を抑える公的制度(補足給付など)

公的施設(特養や老健など)に入居する場合、所得や資産が一定基準以下の方を対象に、食費や部屋代(居住費)が減免される「特定入所者介護サービス費(補足給付)」という制度があります。 また、医療費と介護費の自己負担合算額が年間で高額になった場合に払い戻される「高額医療・高額介護合算療養費制度」などもありますので、費用面で不安がある場合は必ずお住まいの区役所の保健福祉課やケアマネジャーに相談しましょう。

後悔しない介護施設の「選び方」5つのステップ

介護施設選びで失敗してしまう方の多くは、「焦って決めてしまった」「知名度だけで選んでしまった」という原因を抱えています。一度入居すると、再度の引っ越しは本人の心身に大きな負担となります。以下の5ステップを踏んで、慎重に進めていきましょう。

STEP
本人の状態と「将来の見通し」を整理する

まずは、現在の要介護度や、どのような医療的ケア(インスリン注射、胃ろう、認知症の周辺症状など)が必要かを正確に把握します。

ここで重要なのは、「将来、状態が悪化しても住み続けられるか」という視点です。例えば、「現在は要介護1で自立に近いけれど、将来寝たきりになったら退去しなければならないルールになっていないか」を確認しておく必要があります。

STEP
予算(資金計画)の限界線を決める

介護施設への入居は、数年〜十数年に及ぶ長期戦になります。「今ある貯蓄」を切り崩すだけで支払う計画は危険です。

基本は、「本人の年金収入 + 預貯金を取り崩す月々の許容額」が、月額費用の総額を下回らないことです。子供世代が毎月何万円も仕送りし続ける計画は、子供世代の生活(教育費や自身の老後資金)を圧迫するため、慎重に検討しなければなりません。

STEP
エリア(立地)を決定する(札幌特有の注意点!)

「本人が昔から住んでいる見慣れた地域」にするか、「子供の家の近く(呼び寄せ)」にするかを話し合います。

ここで、札幌ならではの重要な注意点があります。それは「冬の雪害・アクセス問題」です。

駅から徒歩20分と書かれていても、札幌の冬道では歩くのが困難、またはバスが大幅に遅延することがあります。

家族が頻繁に面会に行く場合、冬場に車で通いやすいか(施設の駐車場が除雪されているか、主要道路が渋滞しないか)も、面会の頻度を左右する大きな要素になります。

STEP
パンフレットを請求し、候補を絞り込む

条件に合う施設を3〜5箇所程度に絞り込み、資料を請求します。この際、数字上の費用だけでなく、パンフレットのデザインや資料送付の手際の良さからも、その施設の運営姿勢が垣間見えることがあります。

STEP
必ず「見学・体験入居」をする

資料だけで決めるのは絶対にNGです。必ず現地に足を運びましょう。見学の際は、以下の「プロが勧めるチェックリスト」を活用してください。

【施設見学時のプロのチェックリスト】

① 職員の表情や挨拶

すれ違うスタッフが笑顔で挨拶をしてくれるか?(職員の心の余裕=ケアの質に直結します)

② 入居者の雰囲気

デイルームに集まっている入居者の表情は明るいか? 生き生きしているか?

③ 施設の「におい」

玄関や廊下に入った瞬間、排泄臭や過度な消臭剤のにおいが気にならないか?(掃除や排泄ケアが行き届いているかのバロメーターです)

④ 食事の風景

できれば昼食の時間帯に見学し、スタッフが丁寧に食事介助をしているか、料理は温かい状態で提供されているかを確認しましょう。

⑤ 「重要事項説明書」の確認

料金の改定ルール、退去要件(どんな状態になったら出ていかなければならないか)が明記されているか、必ず説明を求めましょう。

行政書士が教える 入居前に知っておくべき「手続き」と「法律の罠」

行政書士としての専門的な視点から、介護施設入居の際に見落としがちな「契約と法律の重要ポイント」を3つお伝えします。これらは、後々大きなトラブルに発展しやすい部分です。

1.「身元保証人(身元引受人)」がいない問題

介護施設に入居する際、ほぼ100%の施設から「身元保証人」を求められます。これは、月額費用の滞納時の連帯保証や、緊急時の連絡先、逝去時の遺体・遺品の引き取り手を確保するためです。

お一人様高齢者や、子供が遠方にしかいない場合、この身元保証人が見つからずに入居手続きがストップしてしまうケースがあります。その場合は、民間の一般社団法人やNPO法人が提供する「身元保証サービス」の利用や、行政書士などの専門家によるサポートを検討する必要があります。

2.契約締結に必要な「意思能力」と成年後見制度

施設との入居契約は、法律上の「契約行為」です。そのため、入居する本人の認知症が高度に進行しており、契約の内容(自分がどこに移り、毎月いくら払うのか)を理解できない状態(意思能力がない状態)の場合、本人がサインした契約書は法律上無効となってしまいます。

家族が代理でサインする場合でも、施設側から成年後見人を立てるよう求められるケースが増えています。本人が元気なうちに、将来の管理者を決めておく任意後見契約を公正証書で結んでおくことが、最大の防衛策になります。

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3.自宅(不動産)の処分と遺産相続の準備

施設への入居費用を捻出するために、「今住んでいる自宅を売却したい」というご相談も多いです。しかし、これも本人の認知症が進行していると、不動産の売買契約ができなくなります(ここでも成年後見人が必要になり、自宅売却には家庭裁判所の許可が必要となるため非常に時間がかかります)。

施設入居のタイミングは、実家の片付け、不動産の処分、そして遺言書の作成など、終活・相続対策を同時に進める絶好のタイミングでもあるのです。

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介護施設選びに関するよくある質問(Q&A)

日々、多くの方が抱く疑問について、Q&A形式でシンプルに回答します。

「要支援」の段階ですが、入れる介護施設はありますか?

はい、あります。

公的施設の「特養」は原則要介護3以上ですが、民間施設である「サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)」や「住宅型有料老人ホーム」、「ケアハウス(一般型)」などは、要支援1、2の方や、あるいは「自立(要介護認定なし)」の方でも入居できる施設が数多くあります。元気なうちに入居し、生活の不便を解消しながら将来の安心を確保するという選び方もおすすめです。

施設の月額費用以外に、どのような「隠れた費用」がかかりますか?

主に「医療費」「介護保険の自己負担分」「日常生活の消耗品費」が別にかかります。

パンフレットに書かれている「月額15万円」という数字は、多くの場合【家賃・管理費・食費】の基本料金です。これに加えて、

持病の往診代や薬代(月に数千円〜1万数千円)

外部のヘルパーを利用した際の介護保険自己負担(要介護度や利用量による)

おむつ代、理美容代、施設内でのクラブ活動費(実費)などが加算されます。予算を組む際は、基本料金にプラス3万〜5万円程度を見込んでおくと安心です。

入居後に施設が合わないと感じたら、退去や転院は自由にできますか?

原則として、いつでも退去(解約)は可能です。

多くの施設では、退去希望日の30日前までに申し出ることで、違約金なしで退去できます。民間施設の場合、入居後一定期間(多くは90日以内)に退去すれば、支払った入居一時金の大部分が返還される「短期解約特例(クーリングオフのような制度)」が法律で定められています。ただし、次の引っ越し先(別の施設など)を確保する労力や、本人の精神的負担は大きいため、事前の見学でミスマッチを最小限に抑えることが何より大切です。

札幌市内で施設を探す場合、役所のどこに行けば相談に乗ってくれますか?

まずは、お住まいの地域を担当する地域包括支援センター(札幌市では介護予防センター)へ行きましょう。

各区役所の保健福祉課でも窓口はありますが、より地域に密着した相談機関として介護予防センターが札幌市内各所に設置されています。専門の社会福祉士や保健師、主任ケアマネジャーなどが在籍しており、介護保険の申請方法から、地域の施設情報まで無料で親身に相談に乗ってくれます。

まとめ ~ 一人で悩まず、専門家や地域の窓口を頼ってください

介護施設選びは、大切なご家族のこれからの人生のクオリティ(生活の質)を決める極めて重要な作業です。そして同時に、これまで介護を担ってきたご家族自身の人生や、仕事を守るためのターニングポイントでもあります。

種類が多く、費用体系が複雑で「わかりづらい!」と感じるのは、あなたが真剣にご家族の将来を考えている証拠です。

行政書士は、介護施設のご紹介そのものを行うわけではありませんが、入居に伴う「意思能力低下への備え(任意後見や成年後見)」「入居資金を捻出するための実家・不動産の処分サポート」「身元保証人が見つからない場合の相談」「将来の紛争を防ぐ遺言書の作成」といった、法務面・手続き面から高齢者とそのご家族を包括的に支える専門家です。

札幌の厳しい冬を、ご家族みんなが安心して笑顔で乗り越えられるよう、まずは最初の一歩として、地域の介護予防センターや、信頼できるケアマネジャー、そして我々のような専門家へお気軽にお声がけください。一人で抱え込む必要はありません。一緒に最適な答えを見つけていきましょう。

■ 札幌での相続・遺言のご相談なら

札幌市東区の「つしま行政書士事務所」では、実家の相続手続きや、遺言書の作成に関するご相談を承っております。 40年間の企業法務・契約業務の経験とFPの視点を活かし、ご家族の想いを形にするサポートをいたします。初回相談は無料ですので、一人で悩まずに、まずはお気軽にご連絡ください。

【お問い合わせ先】 つしま行政書士事務所

  • 所在地:札幌市東区
  • 対応エリア:札幌市内および近郊エリア(出張相談も承ります)
  • 営業時間:平日 9:00〜18:00(※事前の予約で土日祝や夜間も対応可能です)

お電話でのお問い合わせにつきましては、当方留守の場合は必ず、留守電にお名前・ご用件(例 相続について相談したい)をお知らせください。

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