早いもので、このブログの投稿数も70回を迎えました。こんからも札幌の皆様を中心に役立つ情報をどんどん掲載していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日は50代以降に方なら関心が高いと思われる、永代供養、墓じまい、自然葬についての記事を掲載したいと思います。
緑豊かな札幌の街並みも、季節の移り変わりとともに美しい表情を見せてくれます。しかし、お盆やお彼岸の季節が近づくたびに、心に小さなトゲが刺さったような、割り切れない思いを抱えられている方も少なくないのではないでしょうか。
「自分が亡くなった後、先祖代々のお墓は一体どうなってしまうのだろう……」
「一人っ子の息子に、これ以上お墓の維持や管理の負担をかけたくない」
「身寄りがなく、自分が動けなくなったらお墓を掃除してくれる人もいない」
このように、「先祖の墓を守りたい」という強いお気持ちがありながらも、現実的な事情からそれが叶わない、あるいは将来に強い不安を感じている方が近年増えてきています。
少子高齢化や核家族化、そして単身世帯の増加は、ここ札幌の地でも深刻な課題です。お墓の問題は、単なる「古いお葬式の続き」ではなく、残された家族の人生や、あなたご自身の安心な老後、つまり「終活」の最重要テーマと言えます。
この記事では、先祖のお墓を守りたくても守れない切実な事情を抱える皆様に向けて、永代供養、墓じまい、自然葬(散骨・樹木葬など)という現代の選択肢を徹底的に解説します。行政書士としての専門知識と、数多くの現場に立ち会ってきた経験をもとに、あなたが最も納得できる「最適解」を見つけるお手伝いをさせていただきます。
少し長い文章になりますが、どうぞ最後までお付き合いください。
なぜ今、お墓が守れないと悩む人が増えているのか?
まず、なぜこれほど多くの方がお墓のことで頭を悩ませているのか、その背景を整理してみましょう。ご自身の状況と照らし合わせながら、決して「自分だけが親不孝なのだろうか」などと責めないでいただきたいのです。
伝統的な日本のお墓(和型墓石に「〇〇家之墓」と刻まれたもの)は、基本的には「家」制度を前提としています。長男をはじめとする特定の跡継ぎが代々引き継いでいく仕組みです。
しかし現代では、以下のような理由から承継者が途絶えてしまうケースが急増しています。
・ 子供が娘だけで、全員嫁いで他姓を名乗っている。
・ 生涯独身を通す方が増え、単身で身寄りがない。
・ 子供がいない、または子供に先立たれてしまった。
一人っ子の息子さんや、遠方に住むお子様がいる方に最も多いのがこの理由です。
「札幌に先祖代々のお墓があるけれど、息子は東京で就職して家を建ててしまった。」「お盆のたびに高い飛行機代をかけて帰省させ、草むしりをさせるのは忍びない」「お墓の年間管理料を、自分の死後も子供の財布から出させ続けるのは心苦しい」というお声です。
「守りたいけれど、自分の代で綺麗に片付けてあげることこそが親の愛情ではないか」という苦渋の決断を迫られているのです。
お墓の多くは、見晴らしの良い高台や郊外の霊園にあります。若いうちは車を運転して気軽に行けたお墓参りも、免許を返納し、足腰が弱くなってくると、公共交通機関を乗り継いで行くこと自体が重労働になります。
また、お墓の維持には毎年数千円〜数万円の「管理料」がかかります。さらに、お墓が傾いたり外壁が壊れたりした際の修繕費は数十万円から百万円単位になることもあり、年金暮らしの身には大きな重荷となる現実があります。
もし、誰も管理しなくなったお墓をそのまま放置してしまうとどうなるでしょうか。
長期間、管理料が支払われず、お参りもされていないお墓は、霊園や寺院の規則に基づいて「無縁墳墓(むえんふんぼ)」とみなされ、最終的には撤去(強制収蔵)されてしまうことがあります。
「ご先祖様を無縁仏にしたくない、自分の代でしっかり責任を果たしたい」という想いが、皆様を突き動かしているのです。
選択肢1 永代供養(えいたいくよう)
お墓を守れない場合の有力な選択肢として、まず耳にすることが多いのが「永代供養」です。
永代供養とは、お墓の管理や供養を、遺族に代わって寺院や霊園が「永代(半永久的、または一定期間)」にわたって行ってくれるシステムのことです。
ここで重要なのは、「永代供養墓」という特定の形があるわけではなく、あくまで「管理・供養をお任せする契約(仕組み)」のことであるという点です。
永代供養には、いくつかのスタイルがあります。
| スタイル | 特 徴 | 費用感の目安 |
| 合葬墓・合祀墓 (がっそうばこ・ごうしぼ) | 最初から、または一定期間後に他の方の遺骨 と一緒に一つの大きなお墓に納める方法。 | 5万円 〜 20万円程度 |
| 個別安置型 | 一定期間(例:13回忌や33回忌まで)は 個別のスペースや骨壺で安置され、期限が来 たら合祀される方法。 | 30万円 〜 100万円程度 |
| 納骨堂 | 屋内にある施設で、ロッカー型、仏壇型、 自動搬送式(ICカードをかざすと遺骨が 運ばれてくるタイプ)などがある。 札幌市内にも非常に多い。 | 20万円 〜 150万円程度 |
① 後継ぎが不要
あなたが亡くなった後も、お寺や霊園が存続する限り供養が続けられます。身寄りのない方でも安心です。
② 管理の手間がない
敷地内の掃除や雑草の手入れはすべて施設側が行います。
③ 比較的安価
新しく一般的なお墓を建てる(100万〜200万円以上)のに比べ、費用を抑えられます。
④ 天候に左右されない(納骨堂の場合)
札幌の冬は厳しく、大雪の時期のお墓参りは困難です。市内の屋内納骨堂であれば、冬でも暖かく、公共交通機関で気軽にお参りができます。
4.デメリットと注意点
①「合祀(ごうし)」されると遺骨を取り出せない
他の人の遺骨と混ぜて埋葬(合祀)された後は、後から「やっぱり別のお墓に移したい」と思っても、特定の遺骨だけを取り出すことは不可能です。
②「永代」は「永久」ではない
多くの寺院や霊園では、個別に安置してくれる期間(17回忌、33回忌など)が決まっています。期限が過ぎると自動的に合祀墓へ移されるケースが一般的です。
③ お寺との関係(宗派)
過去の宗派を問わないという施設が増えていますが、納骨後の供養はそのお寺の宗派の様式で行われることが大半です。
選択肢2 墓じまい
「永代供養にしたいけれど、今あるお墓はどうすればいいの?」という疑問が湧きますよね。そこで必要不可欠となる手続きが「墓じまい」です。
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墓じまいとは、現在あるお墓を撤去・解体し、敷地を更地にして墓地の管理者に返還することを指します。そして、中に入っていたご先祖様の遺骨を取り出し、別の場所(永代供養墓や納骨堂、散骨など)へ移動させる一連のプロセス全体を呼びます。
単にお墓を壊して終わりではなく、「遺骨の引っ越し(改葬:かいそう)」を伴うのが特徴です。
お墓は法律(墓地、埋葬等に関する法律)によって守られているため、勝手に遺骨を取り出して処分することはできません。正しい手順を踏む必要があります。
墓じまいにかかる費用は、お墓の大きさや立地によって大きく変動しますが、一般的な目安は以下の通りです。
① お墓の解体・更地化費用
1平方メートルあたり約10万〜15万円(一般的な大きさで20万〜50万円程度)。重機が入れない狭い場所や高台にある場合は割高になります。
② 閉眼供養のお布施
お寺へのお礼として3万〜10万円程度。
③ 離檀料(りだんりょう)
お寺の檀家をやめる際にお渡しするお布施。感謝の気持ちとして10万〜30万円程度が一般的ですが、稀にトラブルになるケースもあります(後述)。
④ 新しい納骨先の費用
永代供養や納骨堂の費用(前述の通り数万〜百万円)。
合計で数十万〜100万円超の費用を見込んでおく必要があります。
① 将来の不安が完全に解消される
自分の代でお墓を綺麗に片付けるため、「子供に迷惑がかかる」「無縁仏になる」という心配が根底からなくなります。
② 心の重荷が下りる
「お墓参りに行かなければ」という毎年のプレッシャーから解放されます。
① 親族間トラブルのリスク
相談なしに進めると、「なぜ勝手にご先祖様のお墓を潰したんだ!」と親戚から猛反発を受けることがあります。
② 寺院(菩提寺)とのトラブル
長年お世話になったお寺に、いきなり「墓じまいします」と伝えると、感情的なもつれから高い離檀料を請求されるなどのトラブルに発展することがあります。事前の丁寧な相談が必要です。
選択肢3 自然葬
お墓という「カタチ」にこだわらず、大自然の一部に還りたいという方に選ばれているのが「自然葬」です。主に「樹木葬」と「散骨」があります。
墓石の代わりに、樹木や草花、芝生などを墓標(目印)として遺骨を埋葬する方法です。
① 特徴
法律で許可された霊園・墓地内の敷地に行われます。里山全体を育てるタイプや、都市型の綺麗にガーデニングされたタイプがあります。
② 札幌での現状
札幌市内や近郊(石狩、北広島、江別など)でも、非常に美しい樹木葬霊園が増えています。
③ 費用
1人あたり10万〜50万円程度。永代供養がついているケースがほとんどのため、管理者は不要です。
④ 魅力
「暗いお墓に入るより、明るい花や木の下で眠りたい」という方に最適です。
遺骨を粉末状(2ミリ以下)に砕き、海や山などの自然環境に撒く方法です。
① 特徴
法律の明文規定はありませんが、「節度を持って行われる限り違法ではない」とされています。そのため、どこにでも撒いていいわけではなく、専門業者に依頼してトラブルのない海域などで行うのが一般的です。
② 札幌からのアクセス
北海道では、札幌、石狩、小樽等に海洋散骨業者があり、プランが多く用意されています。
③ 費用
業者にすべて委託する代行プランであれば5万〜10万円程度。船をチャーターして家族で赴く場合は20万〜50万円程度。
④ 魅力
お墓という形が一切残らないため、その後の管理費は完全にゼロになります。身寄りのない方や、完全に跡形をなくしたい方に選ばれています。
① 維持費が一切かからない
埋葬・散骨時に費用を支払えば、その後の年間管理料などは発生しません。
② 自然に還るという精神的な満足感
形式にとらわれない自由な生き方を好む方に支持されています。
① お参りをする対象(目印)がなくなる
特に散骨の場合、形が残りません。「やっぱり手を合わせる場所が欲しい」と後から親族が寂しがることがあります。
② 遺骨の粉砕(粉骨)が必要
散骨を行うには、遺骨をパウダー状にするための専用の費用(数万円)と手間がかかります。
【徹底比較】あなたに最適な選択肢はどれ?
ここまでご紹介した3つの選択肢。どれがご自身の状況に合うのか、分かりやすく比較表にまとめました。
| 比較項目 | 永代供養(納骨堂など) | 墓じまい+新たな納骨 | 自然葬(樹木葬・散骨) |
| こんな人におすすめ | ・身寄りがないが、手を合わせる場所は残したい ・雪の影響を受けずにお参りしたい | ・現在すでに先祖のお墓がある ・子供の代にお墓の負担を残したくない | ・お墓という形を残したくない ・自然に還りたい、維持費をゼロにしたい |
| お墓の管理・継承 | 不要(施設が管理) | 不要(解体して更地へ) | 不要(維持費もなし) |
| 初期費用(目安) | 20万 〜 150万円 | 50万 〜 150万円 (解体費含む) | 5万 〜 50万円 |
| その後の管理料 | なし(一括払いが多い) | なし | なし |
| お参りのしやすさ | 非常にしやすい (特に屋内) | 引越し先次第 (便利になる) | 樹木葬は可、散骨は場所がない |
【ケースA】 単身で身寄りがない、自分が動けなくなったら終わり
⇒ 「永代供養(納骨堂)」 または 「樹木葬」「散骨」 がおすすめです。
自分が亡くなった後のこと(死後事務)を含めて、事前に契約しておく必要があります。形を残したいなら市内のアクセスの良い納骨堂、残したくないなら散骨が良いでしょう。
【ケースB】 一人っ子の息子がいるが、東京に家を建てて戻る予定がない
⇒ 「墓じまい」をして、息子の住む近くの永代供養墓へ移す、または札幌市内で永代供養(管理不要の形)にして子供への負担をなくすのがベストです。必ず息子さんと事前に話し合ってください。多くの場合、息子さんは「負担」と思っておらず「自分がなんとかしなきゃ」と悩んでいるケースもあります。
【ケースC】 お墓はあるが、高齢になり札幌の冬の雪かきや春の草むしりが限界
⇒ 「墓じまい」をして、市内のバリアフリーな屋内納骨堂へ移す(改葬)ことをおすすめします。これでお天気や体力を気にせず、いつでもご先祖様に会いに行けます。
お墓の問題をスムーズに進めるための「3つの罠」と対策
お墓の整理や終活を進める上で、多くの方が陥りがちな「罠(トラブル)」があります。これらを未然に防ぐことが、行政書士としての私の大切な役目です。
「子供に迷惑をかけたくないから、自分で勝手に墓じまいの契約をしてきた」
これは一見、思いやりのように見えますが、親族間での大トラブルの引き金になります。
「なぜ相談してくれなかったのか」「ご先祖様をないがしろにするのか」と、感情論に発展すると修復が難しくなります。
・ 対策
「私の体力が落ちてきてお参りが大変だから」「あなたの将来の負担を減らしたいから、こう考えているんだけどどう思う?」と、提案の形で事前に相談しましょう。
長年先祖の遺骨を守ってくれたお寺に対して、ある日突然「墓じまいするので書類をください」と言うのは、お寺側としても寂しく、また礼を失した行為に映ってしまいます。これが原因で「離檀料として100万円出してください」といった泥沼の交渉に発展する事例があります。
・ 対策
まずは「体調が悪く、お参りに来られなくなってしまって心苦しい」「跡を継ぐ者がいなくて悩んでいる」という「相談」のスタンスで住職にお話ししてください。多くのお寺は、現代の事情を深く理解しています。誠意を持って話せば、穏便に手続きを進めて進めることができます。
お墓の土地(使用権)や建物の名義人が、すでに亡くなっている「祖父」や「曾祖父」のままになっているケースが多々あります。墓じまいや改葬の行政手続きを行うには、現在の名義人(または正当な承継者)でなければ申請が通りません。
・ 対策
墓じまいを始める前に、霊園の管理事務所やお寺に「現在のお墓の名義人は誰になっているか」を確認しましょう。もし亡くなった方の名義であれば、まず名義変更(承継手続き)を行う必要があります。
行政書士が教える、身寄りがない方のための「死後事務委任」という備え
特に「単身で身寄りがない方」の場合、一つの大きな疑問が残るはずです。
「墓じまいの段取りや、自分が死んだ後の永代供養への納骨は、一体『誰が』実行してくれるの?」
自分が亡くなってしまった後、いくら生前に永代供養の契約をしてお金を払っていても、自分の遺骨をその場所へ運んでくれる人がいなければ、計画は頓挫してしまいます。病院や警察から引き取られた遺骨は、自治体によって無縁仏として合葬されてしまう危険性があるのです。
これを解決するのが、法律の仕組みである「死後事務委任契約(しごじむいにんけいやく)」です。
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生前のうちに、第三者(行政書士などの専門家や、信頼できる知人)に対して、自分が亡くなった後の具体的な事務手続き(葬儀、埋葬、墓じまい、遺品整理、各種契約の解除など)を委任しておく契約です。
公正証書という公的な書類の形で契約を結んでおくことで、あなたが亡くなった後、契約した行政書士などが正当な権限を持って、あなたの遺志通りにお墓の手続きや永代供養への納骨を実行します。
・ 身寄りがない方の安心材料
誰にも迷惑をかけず、自分の望んだ通りの形で人生の幕を閉じることができます。
・ 一人っ子のご家族への応用
あらかじめ行政書士を間に入れ、墓じまいの実務(石材店との折衝や役所への申請)をすべて専門家に委任しておくことで、息子さんの肉体的・精神的負担をゼロにすることも可能です。
まとめ ~ あなたの「守りたい」という想いを形にするために
「先祖のお墓を守りたいけれど守れない」
その悩みは、決して恥ずべきことでも、ご先祖様への裏切りでもありません。むしろ、ご先祖様の行く末を真剣に憂い、残される家族の未来を真面目に考えているからこそ生まれる、深い愛情ゆえの悩みです。
時代は変わりました。お墓の形が変わっても、ご先祖様を大切に想うあなたの心、そしてご先祖様があなたやご家族の幸せを願う気持ちに変わりはありません。形にとらわれず、今のあなたとご家族にとって最もストレスがなく、笑顔で手を合わせられる環境を作ることこそが、最高の「供養」なのではないでしょうか。
お墓の問題(墓じまい、改葬許可申請、離檀の交渉など)や、ご自身の亡き後の備え(遺言、死後事務委任)について、一人で抱え込む必要はありません。
札幌の当事務所では、あなたの心により添い、複雑な書類作成や手続きの代行、そして親族や親族、お寺との円満な話し合いの進め方のアドバイスを行っております。
「何から手をつけていいか分からない」
「まずは自分の場合、いくらくらいかかるのか知りたい」
そんな些細な疑問でも構いません。どうぞお気軽に、街の身近な法律家である行政書士までご相談ください。あなたのこれからの人生が、不安のない、晴れやかなものになるよう、全力でサポートさせていただきます。
札幌での相続・遺言のご相談なら
札幌市東区の「つしま行政書士事務所」では、実家の相続手続きや、遺言書の作成に関するご相談を承っております。 40年間の企業法務・契約業務の経験とFPの視点を活かし、ご家族の想いを形にするサポートをいたします。初回相談は無料ですので、一人で悩まずに、まずはお気軽にご連絡ください。
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